編集長オーツキの 磨け、バカ舌! 学べ、オトナの遊び Vol.17

エル・ブリと、ドン ペリニヨンが熱烈合体! 二度と体験出来ないスペシャルな一夜

curated by
大槻 篤

中央がエル・ブリのフェラン・アドリエ。突如の閉店から4年、ここ日本で再びユニフォームを着用! 右がドン ペリニヨン最高醸造責任者リシャール・ジェフロワ。この夢のようなタッグは3年も歳月を要したという。

今回のディナーではドン ペリニヨンのニューヴィンテージ、「ヴィンテージ2005」が振る舞われた。

エル・ブリとドン ペリニヨン。
東京カレンダーの読者ならば説明不要の両者ですが、一応説明。
エル・ブリはスナックとバイツ(後ほど写真で)美食界に革命を起こした伝説的レストランなのですが、最盛期は年8000人のゲストに対して、200万人の予約要望が入るほどプラチナシートだったそう。10年間世界のベストレストランに選出され、2011年に突如店を閉店。以降はエル・ブリラボとして活動するものの、公の場で料理を提供することはほぼなかったそう。

そんな伝説的レストランが、「ドン ペリニヨン×エル・ブリ ファウンデーション」として、再びユニフォームを着用するというから大騒ぎ。幸運にもそんなスペシャルな一夜に招待されました……関係者の皆様本当にありがとうございました。

このディナーのタイトルは「THIS IS NOT DINNER」。洗練を重ねたガストロノミーの体験に加え、新しいヴィンテージである、ヴィンテージ2005の4つの側面を読み解くという、ガストロノミー・イベント。つまりはただの食べるだけのディナーではなく、イベントであり、五感で感じ制作者たちの意図を味わう、ということ。私に理解出来るか?

ということで、今回供された料理は、期待通りすべてスナック。つまり全皿フィンガーフードでの構成となる。

スターターからしてヤバかった。最初にオレンジ色の葉っぱをパクッ、マンゴーの濃厚な甘味とシャンパンが合う。つづけてピスタチオ、ピーナッツ、カカオ、と、かじるとソースが溢れ出す仕掛けや、斬新かつアーティスティックな盛りつけには驚嘆しきり。のっけからこのハイペース。シャンパンがすすむすすむ。

ドライトマトとキャビアのカナッペ風。手で持つと壊れそうな繊細な作り

はい、すっかりほろ酔いの完成です。
全20皿提供され、なかには昆布のエスプーマ、車エビ、海苔を使った料理など、日本の食材を使用したものも。

オリーブの実と思いきや、中からスープが! 専用のスプーンでいただきます

イベリコの脂身だけを生ハムに。とろける食感はやみつきになります。

どれも想像の斜め上を行くクリエーションで、ガストロノミーはここまで進化したのか、と驚きの体験です。しかも、このヴィンテージ2005のもつポテンシャルを最大限に引き出すのがすごい。

エル・ブリの代名詞であるエスプーマを使用した、昆布とキャビア。和の食材も積極的に取り入れています。

ドン ペリニヨンの最高醸造責任者の一言が、この会のすべてを表していた。

車エビの尾頭付き。頭だけ熱湯に30秒、身は生でいただきます。程よい塩加減。

「この創造的行為により、ワインが自らの知識となるのです。この体験を成す核心の周囲に築かれる文脈や、場所、瞬間、そして人々…… そのすべてが体験を次の次元へと高める可能性を秘めています」

深く、そして美味しい。もう二度と体験できないであろう、スペシャルな一夜でした。

……そして、この記事を書いている途中に嬉しいニュースが!
このフェラン・アドリアによるDPスナック(ドン ペリニヨンスナック)の中から
選りすぐりのスナックを6月中旬以降、虎ノ門の『ピルエット』にて提供することが決定。
ヴィンテージ2005に合わせて、ぜひご賞味あれ!

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