横浜で本当に旨い店3選!漆黒のおでん、名物かつれつ、圧巻の海老天蕎麦を味わう大人の夜

港町の風情ただよう横浜で、東京と変わらぬムードの店を選ぶのは無粋。

独自の食文化を築いてきた横浜で、真に格好いいとされるのは流行りではなく「本当に旨い老舗」を知る知的な大人だ。

どこか温もりを感じる空間で、実直で確かな味を前にして、大切なあの人は、紡がれる歴史と小粋な店選びに心つかまれる。

今回は、勝烈・蕎麦・おでんの名物で食通を魅了し続ける「至高の和の老舗」3店をご紹介します。

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1.唯一無二のソースのとりこになる。ハマっ子が愛するソウルフード
『勝烈庵 馬車道総本店』

関内『勝烈庵 馬車道総本店』の外観

暖簾に描かれた「勝烈庵」の文字は、先々代が旅先の宿にあった作品に感銘を受け、親交を深めた棟方志功の手によるもの。かつれつを“勝烈”の漢字に置き換えたのは、初代の商売への意気込みから


横浜には浪漫という言葉がよく似合う。歴史的建造物を眺めながら、ガス灯に照らされた道を歩くと、思わずドラマの主人公になったような気分になる。

3回目のデートで流行りの店ではなく、あえて港町の歴史を紡ぐ老舗を選んでくれた彼の粋な選択に、密かに胸がときめいた。

高揚する気分を抑えながら辿り着いた『勝烈庵 馬車道総本店』は、昭和2年に創業したかつれつの専門店。

関内『勝烈庵 馬車道総本店』の内観

1階のカウンターではシェフハットをかぶった調理スタッフが腕を振るう


暖簾をくぐると店内のいたるところに棟方志功の作品が飾られていて、温もりある空間にふっと緊張がほどけていく。

絶品ソースをだくだくに。なんだか彼との距離が縮まった気がする

関内『勝烈庵 馬車道総本店』の「勝烈定食」

サクサクとした衣と肉のジューシーさがたまらない「勝烈定食」(ヒレかつ120g)¥2,200。ソースは2日煮込んだあと、なじませるため1日間寝かせてまろやかでフルーティな味わいに。ひとりでひと瓶使う常連客も


着席し、ほどなくして運ばれたヒレかつのこんがりとした揚げ色にうっとり。

「ソースはなみなみとかけるのがいい」という彼のアドバイスに従い頬張ると、しなやかな肉の旨みとキレのあるソースの甘みが口いっぱいに広がった。

旬の果実をふんだんに使った秘伝のソースにこそ、100年近く愛される秘密があるのだろう。

関内『勝烈庵 馬車道総本店』の「特製エビカツサンド」

テイクアウトだと¥1,728の「特製エビカツサンド」はとっておきの夜食に


2軒目で向かった『BAR 馬車道』で煌めくバックバーに圧倒されながら、ドラマティックで奥の深い横浜の夜と彼のセンスの良さに、すっかり魅了されている自分がいた。

■店舗概要
店名:勝烈庵 馬車道総本店
住所:横浜市中区常盤町5-58-2
TEL:045-681-4411
営業時間:11:00~LO21:00
定休日:無休
席数:カウンター12席、テーブル118席

2.偉人たちの胃袋も掴んだ圧巻の海老天に驚愕する
『⻆平』

平沼橋『⻆平』の外観

横浜駅から徒歩7分の平沼商店街の交差点角地に佇む。老舗の風格が漂う暖簾と瓦屋根をあしらった格式ある日本建築が趣を醸し、店の真上を京急線が走り抜ける風景も、なんとも横浜らしい


横浜駅から歩くこと数分。駅前の喧騒を少し離れると、温かい明かりが夜に浮かび上がっていた。

「見たことない蕎麦、見せてあげる」と彼に連れられたのは、創業76年を迎える『⻆平』。

平沼橋『⻆平』の内観

3代目の岩瀬涼介さんを中心に家族も店に立つ


店内を見渡せば、三角巾姿の女性たちが忙しなく行き交い、「天丼がついて、3杯大つけ!」と威勢の良い通し言葉が響く。

中心できびきび指示を出す2代目の藤江壽子さんは、15歳から店を手伝い、3代目となる孫に暖簾を譲った今もたまに店に立つのだとか。長年店を守るその姿が、なんだか格好いい。

贅沢にはみ出した海老天の先の自慢げな笑顔に、つられてワクワクする

平沼橋『⻆平』の「つけ天」

名物の「つけ天」¥1,490。出汁には創業時から変わらず上質な宗田鰹を使用


登場した「つけ天」は、「ざるそばでは物足りない、天ぷらそばだとそばの良さを活かしきれない」と先代が考案した、温かいつゆに、そばと天ぷらをつけて味わうスタイル。

大ぶりの海老天と艶やかなそばをキリッとしたつけ汁が風味を引き立て、思わず顔がほころぶ。

平沼橋『⻆平』の「カツ煮」

元はかつ屋だったことから人気の「カツ煮」(¥1,820)は分厚くボリューム満点。地酒とともにそば前で楽しみたい


彼が帰りにエスコートしてくれたのは『バー シーガーディアンⅢ』。

横浜の夜景を見下ろして、今日のデートの思い出を振り返る時間が、とても心地良かった。

■店舗概要
店名:⻆平
住所:横浜市西区平沼1-36-2
TEL:045-321-4341
営業時間:11:00~LO20:00
定休日:火曜、第1・3水曜
席数:テーブル68席、座敷5席、個室1(6席)

3.漆黒の出汁に歴史ありの絶品おでんの名店
『野毛おでん』

関内『野毛おでん』の内観

代々蕪山家が継いできたため、トレードマークは蕪。カウンターの上にその暖簾がかかる


伊勢佐木町の商店街からちょっと入った路地に佇む『野毛おでん』。

明治36年創業という老舗の暖簾を「ただいま」とでも言わんばかりにくぐる、彼の後ろ姿が頼もしく思えた。

濃い見た目に反して実は優しい味わい。そんな裏切りまでも、全部楽しい

関内『野毛おでん』の「盛り合わせ」

「大根」「玉子」のほか、野菜が入った油揚げ「ふくろ」や今日のオススメ「まぐろねぎま串」など、おでんは常時25種以上。「盛り合わせ」は1人前¥950。日本酒は一合¥600


おでんの「盛り合わせ」を頼んで最初に目を奪われたのは、上から下まで真っ黒に染まった大根の黒さ。口にして驚いたのは出汁。

関内『野毛おでん』のおでん

継ぎ足して使う出汁は鰹節と昆布がベースで調味は濃口醤油を使う


芯まで染みているけれど少しもしょっぱさを感じず、むしろスッキリ。醤油がキリッと香ったあとで、大根の美味しさが際立って感じられる。

お出汁は飲めるほど優しい味わい。そんなところもポイントが高い。

「甘くないのは砂糖もみりんも使ってないからなんだよ」

彼によると甘さが必須の東京に対し、横浜は蒲焼のタレなどもキレある味に仕上げるのだそう。

関内『野毛おでん』の「マハタ」

今日の刺身より「マハタ」¥1,800。4代目の蕪山武夫さんが、プロ顔負けの腕で釣り上げた


「いらっしゃい」と柔らかい笑顔で常連を出迎える女性は、御年90歳の3代目女将・蕪山良子さん。品のある接客にどこか横浜らしさを感じる。

「山下公園の方にレコードを楽しめるいいバーがあるんだ」と言う彼に、今夜はとことん身を委ねたいと思った。

■店舗概要
店名:野毛おでん
住所:横浜市中区吉田町2-6
TEL:045-251-3234
営業時間:11:30~LO13:45(土のみ)、16:00~LO20:15
定休日:日曜
席数:カウンター8席、テーブル40席

▶このほか:【横浜デート】大人のディナーに!歴史的名建築で味わう北欧料理とフレンチ2選

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