江戸時代から金融と商業で栄えてきた日本橋は、近年の再開発で複合施設が多いが、独自の文化も健在している。
そんな日本橋を、ユニークなビルを運営する梁 剛三さんに案内してもらった。
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ナビゲートするのは……
「THE A.I.R BUILDING」オーナー・梁 剛三さん
20代から音楽活動を行い、NYで5年不動産関係の仕事に携わる。2015年に帰国後、その2年後にアーティスト・イン・レジデンスの機能を持つ「THE A.I.R BUILDING」を開業。お酒はあまり飲まないが、酒場の雰囲気は大好き。
和の伝統を受け継ぐ老舗のイメージがある日本橋。銀座に近く、日本らしい品も漂う。そこが意外にも「ブルックリンと似ている」と、NYに住んでいた梁さんは話す。
「中でも僕が住んでいたウィリアムズバーグは、元は少し危ないエリアでした。でもアーティストが住みつきギャラリーができて、カフェやアパレルも増え、古い建物を改装しながら新たなカルチャーが生まれていきました。
古いビルが多い日本橋でも、そんな街づくりができると思いました。昔のブルックリンのような発展途上の面白さがここにはあります。渋谷のようなカルチャーの中心地から離れた立地だからこそ、これから新しいことが生まれるドキドキ感を日本橋に感じています」
広い日本橋の中でも、よりブルックリンな雰囲気を体感できるオススメのコースは、神田駅近辺から小伝馬町駅近辺までのエリアという。いい散歩になる距離感だ。
この街でカルチャーが集まる「THE A.I.R BUILDING」を手掛ける梁さんだからこそ提案できる、今回のハシゴ酒。アートに音楽、リノベーション建築が入り交じる、日本橋の新たな面白さを体験する一夜が幕を開ける。
【1軒目/17:00 START】“フグレン”元代表の手掛けるカフェで街ブラのスタート!
『nexpect coffee』
まだ明るい17時、これからの季節は通りに面するベンチが心地良い『nexpect coffee』からスタート。
ノルウェー・オスロの『フグレン』を日本に進出させた小島賢治さんの独立開業店だ。
「東京で北欧コーヒーのカルチャーを築いた小島さんが、コーヒーの味とその空間にいる贅沢を楽しむ場所として作ったお店。派手にせず、本質を伝えるところに惹かれます」と梁さん。
豆は小島さんのオスロ時代の師匠、ティム・ウェンデルボー氏の豆を中心に取り扱い、コーヒー好きから注目を浴びる。
【2軒目/18:00】最旬スポットで、流行りのグルメを好きなだけわがままオーダー!
『COMMISSARY NIHONBASHI』
店名『COMMISSARY NIHONBASHI』の“COMMISSARY(カミサリー)”とはセントラルキッチンを意味し、調理工場直売所となるフードコート。
渋谷で人気のピザ専門店『PIZZA SLICE』、岩本町のタコス専門店から『KITADE TACOS』、この施設のために生まれたブルワリー『2杯目のビール。』、他ドーナツ店の4店舗が出店する。
『PIZZA SLICE』のNYスタイルピザ。
右は本日のピザの「ハワイアンスライス」¥660、左が「ペパロニスライス」¥605。
自家製トルティーヤが香ばしい、『KITADE TACOS』の3種(チキン、ポーク、ビーフ)セット¥1,480。
梁さんは「どこで何を買ってもいい自由さが魅力。まずはピザやタコスでビールを飲んで、空腹を満たすとちょうど良い。次に流れる前にサクッと楽しめるのが便利です」と語る。
【3軒目/19:30】ナチュラルワインの角打ちで、お洒落中華をアテに憩うのがいまっぽい
『timsum』
3軒目はナチュラルワインの角打ち『timsum』へ。
ディムサム(点心)が元の造語の店名どおり、焼売や春巻をアテにワインを楽しめる。
グラスは常時15種ほどあり1杯¥1,100からという気軽さで、購入ボトルの抜栓も可。
「中華と合わせるとワインをより砕けて飲めて、焼売もきちんと美味しいです」と梁さん。
焼売は「檸檬焼売」など4種を用意し、広島の海辺にある「横島ファーム」のうつみ潮風豚を使う。
豚の味の良さが際立つジューシーさでワインとマッチする。
【4軒目/21:00】アーティストが集うカルチャービルのカフェバーで、DJミュージックに酔う
『THE A.I.R BUILDING』
お腹が満たされたあとの4軒目は、梁さんが手掛ける「THE A.I.R BUILDING」の1階の洗練されたカフェバー『THE A.I.R BUILDING』へ。2017年に製薬会社だった5階建てのビルをリノベーション。
梁さんが「単なるカフェというよりインフラとしてのコーヒーショップのイメージ」と話すように、日常生活やクリエイティブの基盤として、火曜から土曜までは23時まで駆け込める。
オリジナルのビールやカクテルもそろえ、同ビル4階の客室に滞在するアーティストや音楽関係の大人が夜な夜な集う洒落た憩いの場なのだ。
外のテラス席で飲むことも可。
【5軒目/22:30】レコードの音と美酒にゆったりと身を委ねて、ハシゴ酒を締めくくる
『Bar SLIGHT』
最後は神田駅に近いミュージックバーの『Bar SLIGHT』。
ジャズを中心に1,000枚近いレコードをそろえ、「田口音響研究所」の平面スピーカーや「マークレビンソン」の90年代のアンプを使用する。
店主の笹木皓太さんは「ミュージックバーの敷居を下げたい」と話し、気取らない雰囲気が心地良い。
梁さんが「しっぽり飲んで終わりではなく、良い音を聴いて高揚した状態で帰り、翌日まで思い出が残る〆になります」と語るように、この街歩きのフィナーレにふさわしい1軒だ。
北欧から兜町にきた古民家ビアバーで、ビールの新たな扉を開く
『OMNIPOLLOS TOKYO』
まるで水中にいるような空間で、感度高き街の大人がビールを片手に憩う
リノベーション物件の多い日本橋の中でも、『OMNIPOLLOS(オムニポヨス) TOKYO』のユニークさは際立っている。
2020年の初上陸にあたり同ブランドが見つけたのは、1950年代創業の鰻屋だった木造1軒家。よく見れば入り口の引き戸の金具は鰻型だ。
その戸を開けて中に入ると、水中にいるような気分になるブルーの世界。手掛けたのはスウェーデンの気鋭デザイナーだ。
2011年にストックホルム近郊で誕生した「OMNIPOLLO」は、クラフトビールのブランドでありライフスタイル・ブランドでもある。東京店でも独自デザインの服や小物を販売。
BGMは独自のルールに沿って、当直スタッフが好きな音楽を流す。
そんな異空間で、本国醸造所や国内ブルワリーからのビールをタップで楽しむ。ビール片手に仕事するもお喋りするも人それぞれ。
入店しなければ分からないお洒落で気ままな時間もまた、新たな日本橋の顔である。
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