スガシカオ・小宮山雄飛 ・FPM田中知之の行きつけレストラン3軒。料理との出合いは、作品へのインスピレーションに!

世にレストランは数あれど、愛するとまで言える店はいくつあろうか。

今回は、食に造詣の深い3名の芸能人に“愛するレストラン”と大切な物語を聞いた。



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1.スガ シカオの愛するお店『レテール』

~行きつけのフレンチで感性を磨く夜が、次の作品へのヒントになる~

牛込神楽坂『レテール』のレア気味に火入れした金目鯛 バターで蒸し煮にしたポロ葱やセロリ

レア気味に火入れした金目鯛の下はバターで蒸し煮にしたポロ葱やセロリ。食材の強さに「十分すぎるほどフレンチとワインを楽しめます」とスガさん。ディナーコース10品(¥30,800)より


スガ シカオさんが推薦する『レテール』。オーナーの伊藤良明さんはパリでミシュランの星を8年保持し、シェフの田篭 彬さんとはパリの“ひらまつ”時代の先輩後輩の間柄。

そんなふたりが手がける『レテール』が「正直フランス料理があまり得意じゃないのです」と語るスガさんにとって特別な存在になったのはなぜか?

「季節の魚介を使い、ソースや合わせる素材、調理に驚くべき発想があって、僕が苦手意識のある複雑なフレンチ感が強くありません。ですが、全部の料理が驚きと幸福に満ちています。

カウンタースタイルで、お料理が出来上がっていく様子を1m先で見られるのも楽しみのひとつです」

スガさんが「本格フレンチで通う店はここばかり」と絶賛する理由に、“魚の天才”とも称される静岡『サスエ前田魚店』の前田尚毅さんから仕入れる魚がある。

例えば炭火で火入れした金目鯛に、同じ出自の魚のアラでとったスープドポワソンを注ぐ。静岡とフランスが出合い、深い海を東京で感じる。双方の魅力を知る田篭さんが作るからこそフレンチの概念を覆す味わいとなっていた。

「センスを超えた到達点に行けるのは確かな才能をもつ者のみと音楽で思うことがありますが、料理の世界にもそういうのがあるんだろうなと『レテール』に伺うたび思うのです」

■店舗概要
店名:レテール
住所:新宿区神楽坂3-6-53 とぎやレジデンス 2F
TEL:03-6388-1312
営業時間:【月・木・金】17:30~
     【土・日】ランチ 12:00~
          ディナー 18:00~
定休日:火曜、水曜
席数:カウンター8席、個室1(最大6席)
※2月21日(金)まで臨時休業

教えてくれたのは……

スガ シカオ


1997年デビュー。「Progress」など自身のヒット曲以外に「夜空ノムコウ」など詞曲提供も行う。4月1日まで全国ツアー「Shikao & The Family Sugar TOUR ~Acoustic Soul~」を敢行。

2.小宮山雄飛の愛するお店『shojin宗胡』

~常連歴9年。変わらぬ仲の旧友と進化する和食に、ほっとする夜~

六本木『shojin宗胡』の内観

和食店の雰囲気を抑え、カウンターに大理石を配した店内。「デートならカウンター、グループでは個室が隠れ家感があり使い勝手が良いのでオススメです」と小宮山さん


中学から大学まで学友の小宮山雄飛さんと『shojin宗胡』オーナーシェフの野村大輔さん。

野村さんの実家は高級料亭『精進料理 醍醐』で、小宮山家がお祝いなど特別な時に訪れていた場所だ。

食通一家の息子と料理人の息子。昔から食で繋がる野村さんが2015年に独立した時からずっと、小宮山さんはこの店に通う。

「より気軽に精進料理を楽しめるということで、仲間との会食によく使っています。

まだ精進料理がそこまで知られていない頃にカジュアル精進という新しいジャンルで開店していたので正直、大丈夫か?と心配でしたが(笑)。

ヘルシーな日本料理ということで女性や外国人に大人気。行くたびに料理のクオリティも上がっていて、無駄な心配でした」

六本木『shojin宗胡』の「八寸」

季節を表す「八寸」の一例。右下から時計回りに、春菊のおひたし、菜の花、海老芋の唐揚げ、小茄子の田楽、胡桃、ミニトマト、焼きカブ。懐石のディナーコース8品¥14,520~


動物性のものを一切使わない精進料理。野菜も“命をいただく”という意識で極力使い切る。

例えば出汁は料理に使う野菜の皮や芯、葉からとる。3週間でコースが変わるため出汁の味わいもおのずと季節を反映。そんな精進料理には意外な効能も。

「女性ウケが抜群で、どんな方を連れていっても必ず喜ばれます。デートなら、シェフの姿が見えるカウンター席の雰囲気が最高。

夜のコースはもちろん、ランチの精進カレーや限定弁当など、いろいろな楽しみ方ができ、長年通っても飽きません」

shojin宗胡(六本木) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

教えてくれたのは……

小宮山雄飛


1973年生まれ。2ピースPOPグループ「ホフディラン」として1996年デビュー。今年2月からライブハウスツアー「ホフディランカルテット」を開催。通称“音楽界のグルメ番長”。

3.FPM田中知之の愛するお店『es』

~都会的で秘密めいた多層空間は、この上なく刺激的だが心地良い~

乃木坂『es』の外観

コンクリート打ちっぱなしの建物の入り口は真鍮。看板がなく錚々たる雰囲気を醸す


西麻布の裏通りに立つ『es』は、一棟からなる多層的な店。総工費数十億円に上る店内には世界最高峰の資材や名品がそろい、空間に圧倒される。

そんな店の理想的な過ごし方を、FPM田中知之さんは知っていた。

乃木坂『es』の内観

「総じてコージーでエクスクルーシブ感あり訪れるまでは程良い緊張感もあるけれど、一歩入れば心地良く過ごせます」と田中さん。大理石の食卓が輝く地下1階は格段に豪華


「中に入ると趣味の良い邸宅に招かれた感じ。まずは3階のオープンエアにもなるバーに上がり、食前酒をいただきリラックス。チラ見えする夕日や六本木ヒルズのあたりを眺めて飲む“HENRIOT”が旨かったです。

心もほぐれて2階のレストランに移動すると、オープンキッチンを大理石のカウンターが囲み、シックで程良い豪華さがある。

続く地下1階は弩級のコレクションを誇るワインセラーに囲まれた特別席があり会員のみ入店を許されます」

乃木坂『es』の内観

3階のバーは紹介制で、レストラン(コース¥36,000~)で食事をする客も入店可能


『es』オーナーの大城戸克徳さんは元『SUGALABO』の統括マネージャーでフレンチを知り尽くす。田中さんはソムリエとシェフの二刀流として店に立つ気鋭に魅せられた。

「物腰も柔らかいのが素晴らしく、当然、ペアリングは隙なし。料理は、味わいと香り、食感、視覚のバランスが緻密に計算されています。本来は会員制のところ、最近は予約が可能になったとか。

選ばれた人だけがたどり着ける秘密めいた感じは残っていて、僕も何か素敵なシチュエーションで季節問わず活用し、音楽にも生かせたらといつも思っています」

■店舗概要
店名:es
住所:港区西麻布2-15-3 especeビル
TEL:080-7688-1124
営業時間:[一部]17:00~
     [二部]20:00~
定休日:日曜、水曜
席数:[地下1階]テーブル6席
   [1階]テーブル12席
   [2階]カウンター6席
   [3階]カウンター4席、テーブル6席

教えてくれたのは……

FPM田中知之


1966年生まれ。音楽プロデューサー・DJ。FPM名義で楽曲制作やリミックスを手がけ、米国コーチェラなど海外フェスに出演。“東京2020オリ・パラリンピック”開閉会式音楽監督。

▶このほか:鎌倉にオープンした一軒家レストラン4選。食偏差値が高い、地元住民で賑わう美食店

東京カレンダー2025年4月号の表紙

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