運命なんて、今さら Vol.10

「今夜は帰りたくない」と2回目のデートの帰り、28歳女に言われた男。どう対応するのが正解?

◆これまでのあらすじ

恋人いない歴7年。恋愛をあきらめて生きてきた税理士・寿人(32)は、趣味のソロキャンプ中に結海(28)と出会う。寿人は、結海を誘って2回目のデートでイタリアンに。2人で楽しい時間を過ごしているが…。

▶前回:彼と初めての夜デート。22時半、「まだ帰りたくない」と思った28歳女は…


「あ、結海さん大変。もう23時を回ってます」

寿人が時刻に気づいたのは、デザートのティラミスを食べているときだった。

店員さんは、つい先ほどホットコーヒーを2つ出してくれたところだ。

でも店内はもうだいぶ静かで、たしかこのレストランの閉店時間は23時だったはずだと寿人は焦る。

「ご厚意で急かさなかったのかもしれないけれど、さすがにお店に申し訳ないので、先にお会計だけしちゃいます」

「あ、なら私が…」

寿人は、結海に「ごちそうさせてください」と言うと、席を立った。

頭と体がぼうっとしていた。緊張で、いつもより酔いがまわっているのかもしれない。

― 帰りたく…ないなあ。

夢見心地でレジに向かう寿人に、黒いエプロンをつけた店員さんが、親しげに話しかける。

「あ、お客様。すみませんね、ごゆっくりなさってていいのに」

「長居してしまって、すみません。先にお会計を」

「ありがとうございます。でもデザートとコーヒー、ゆっくり味わってください。お店はまだいろいろ片付けがあるから、閉店時間は気にしないでね」

「ありがとうございます」

お会計中、スマホをちらっと確認すると、妹の華からLINEが来ている。

『華:今日はバイトの子の家でオールする!お兄ちゃんちには帰りませんので、よろしく』

華は昨日、給湯器が壊れたという理由で寿人の家にやってきて、3日ほど泊まると言っていたのだった。

― 楽しそうだなー、あいつも。

「OK」と華に送ってお会計を終える。

寿人が席に戻ると、結海はカップを片手に持ち、深い色をしたコーヒーを見つめていた。

なにやら深刻な表情だ。

この記事へのコメント

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No Name
ありきたりな展開過ぎて読んでるこちらが恥ずかしくなってくるレベルですね。
2025/03/12 05:2230
No Name
誰もが先週コメントで予想した通りの展開。しょうもな。
9-10話をもっと簡潔にして一話分に納めた方が良かったと思う。
2025/03/12 05:1819返信1件
No Name
結海っておばさん通り越しておばあちゃんみたい。
いっつも肩凝りが酷いのだって言ってる🤣
2025/03/12 05:2012返信1件
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