3. 野菜は天然の薬箱
野菜の持つパワーは無尽蔵であり、それ自体が天然の薬箱と言ってもいいほどです。野菜に秘められた薬効を本書から3つ取り上げて紹介します。
①ブロッコリーに含まれるNMNで若返る
色々な実験から動物でもヒトにおいて、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)を摂取することで、明らかな若返りの兆候を示すことがわかっています。
特に高齢者がNMNを服用すると、俊敏な動作が回復するといった結果も報告されています。さらに、アルツハイマー型認知症や心不全などの疾患にも効果があるとされており、まさに若返りの効果が期待されます。
では、そのNMNは何を食べれば補給できるのでしょうか。実は、肉類や魚介類にはあまり含まれていません。
野菜や果物には比較的多く含まれ、特に枝豆、アボカドにおける含有量は高いといわれています。また最近になって、実はブロッコリーがこのNMNをとりわけ豊富に含んでいることがわかってきました。
昔からブロッコリーは、健康野菜ランキングやデザイナーフーズなどにおいても上位に位置づけられていました。デザイナーフーズ・プロジェクトとは、がん予防に効果のある食品をランキングするアメリカの研究です。
たしかにブロッコリーは、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸、カリウム、鉄、βカロテンなど豊富な栄養素を持ち、がん予防に効果のあるスルフォラファンを含んでいます。
ブロッコリーの栄養素リストにNMNも追加すべきです。
②抗酸化作用の成分「リコピン」はトマトで摂る
4. 本書のココがすごい!
今回紹介した『予防医学の名医が教える すごい野菜の話』一石英一郎著(飛鳥新社)のすごいところは下記に集約される。
① 「野菜が体に良い」という、誰もが一度は聞いたことがある知識を、最新の研究結果を紹介しながらわかりやすく説明している。
② 今回は本文では紹介しきれなかったが、「野菜だけを食べなさい」と言っているわけではなく、肉とのバランスなど、食生活全般にも触れており、取り入れやすい内容となっている。
③ 「野菜を摂るべき」とわかっていても、実践できない人も多い。そんな人たちのために、効率よく野菜の栄養を摂れる食べ方やレシピも紹介している。
【著者】 一石英一郎(いちいし・えいいちろう)
1965年生まれ。兵庫県出身。医学博士。国際医療福祉大学病院内科学教授。
京都府立医科大学卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻修了。世界の著名ながん研究者が名を連ねる米国癌学会(AACR)の正会員(Active Member)。
DNAチップ技術を世界でほぼ初めて臨床医学に応用し、論文を発表。人工透析患者の血液の遺伝子レベルでの評価法を開発し、国際特許を取得。長年にわたり、遺伝子の研究をおこなっている。
著者X/https://x.com/ichiishi2
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