東京に点在する、いくつものバー。
そこはお酒を楽しむ場にとどまらず、都会で目まぐるしい日々をすごす人々にとっての、止まり木のような場所だ。
どんなバーにも共通しているのは、そこには人々のドラマがあるということ。
カクテルの数ほどある喜怒哀楽のドラマを、グラスに満たしてお届けします──。
▶前回:元彼が忘れられない。思い出の場所で感傷的になった37歳女は思わず勢いで…
Vol.7 <カフェ・コン・セルベッサ> テオ・クルース(27)の場合
8月に東京公演を控えた舞台の稽古は、まるで東京の夏そのもののように、日に日に熱を帯びてきている。
けれど、ほんの端役としての出番しかないテオは、通し稽古のない今日はまるっきりやることがなく、すっかり休日を持て余していた。
「あ〜。せっかくの東京なのに、暇すぎる…。リサはす......
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この記事へのコメント
お前が気持ち悪いんだよ。