2024.07.08
いま、東京には“コース1万円前後”で楽しめる店が増えてきている!
そんな中でも、青山・渋谷・代々木・神泉・目黒・白金という人気エリアから、注目のレストラン6軒を厳選してご紹介!
「青山で新鮮な魚介尽くしが楽しめる」と話題の『青山おとと』。
実はこちら、同じ青山にあるカウンターフレンチ『Hiroya』、ワインバー『Yoruya』といった人気店を手掛けるオーナーシェフ・福嶌博志さんによる3店舗目。
福嶌さんは店が終わったあと、マグロを釣りに行くこともあるほどの無類の釣り好き。
先の2軒といえば洋のイメージが強いが、三ツ星店『龍吟』で腕を磨いたこともあり、和の心得も確か。そのため、魚の旨さをシンプルに味わえる店を開きたいと、炭火焼きと南部鉄器の釜で炊き上げるご飯を軸に据えた。
店を任されたのは、『菊乃井』などで修業した古谷 望さんと、和食の経験豊富な塚原健太さん。
魚介の旨い店で相手を骨抜きにするのは、デキる大人の常套手段
オススメは「炭火焼 旬のお魚と国産牛のプレミアムコース」。
メインはじっくりと火入れして香りと旨みを閉じ込めた鮭の王様「ますのすけ」などの炭火焼き。
そこに「お造り盛り合わせ」や手の込んだおつまみ、十勝ハーブ牛の炭火焼までそろう大満足の内容。
「冷菜3種盛り合わせ」「温菜3種盛り合わせ」では、アワビの柔らか煮などが少しずついただける。
そして、料理とともに楽しみたいのがワイン。特に魚介類に合うオセアニアワインを豊富にそろえている。
香ばしい炭火焼きには、樽の効いたオーストラリアのシャルドネがぴったりだ。極上の魚介をワインとともに味わい尽くそう。
【Tonight's Bill】
今宵のお会計!ふたりで計¥28,980
「プレミアムコース」2名分のほかは、白ワインと赤ワイン(¥900)をそれぞれ2杯ずつ。
コースにボリュームがあり、味噌汁もつくのでお酒控えめでも満腹!
艶やかなムードも醸すモダンなカウンターから驚きは始まる
彩りも華やかに洋皿を飾るハーブやエディブルフラワーがのるのは、牛肉のステーキ?と思いきや「黒酢炒めです」と話すのは、平賀大輔さん。
西洋料理の要素を取り入れ、中華に革命を起こしたヌーべルシノワの第一人者・脇屋友詞シェフの下で20年以上研さんを積んだ生え抜きと聞けば、フレンチを思わせる美しい盛りつけにも合点がいく。
そんな平賀さんは今年の1月に晴れて独立。渋谷・金王八幡宮のすぐそばに、『ON the TABLE CHINESE』を開いた。
中華の巨匠も全幅の信頼を置いた、熟練のテクニックに脱帽
大人の雰囲気漂う店内でいただくのは、五香粉風味にアレンジしたパテ・ド・カンパーニュ、カニ玉をイメージしたトルティージャなど洋のエッセンスをさりげなく加味した料理の数々。
ヨシキリザメの尾ビレを白湯で煮込んだ「フカヒレの煮込み」。
残った白湯には土鍋ご飯を絡ませて。
「鶏泥湯(チーロンタン)」は、鶏挽肉と干貝柱を混ぜて、じっくりと蒸したスープ。
中でも、前述の「黒毛和牛の黒酢炒め」は、新たなスペシャリテとなる自信作。
酢豚風に仕上げた牛肉の下にはフレンチのドフィノワよろしく、ジャガイモのクリーム焼きが敷いてあり、牛肉の旨みを優しく受け止める。
素材へのアプローチ、提供スタイルなど随所にヌーベルシノワを感じさせる熟練のコースは、なんと¥6,600から。
特別な夜にも申し分なく、連れの笑顔もいつになく増えるはずだ。
【Tonight's Bill】
今宵のお会計!ふたりで計¥18,920
コースでは他に、翡翠がゆや焼きたてチャーシュー、点心、2種類から選べる〆などが登場。
世界中から厳選した自然派ワインも、グラス¥900~とリーズナブル。
アーチの先に現れた、五感を刺激し続ける非日常に酔いしれる
これほどまでにキッチンと一体化したシェフズカウンターがあっただろうか。
着席すると、そこは作業スペースと地続き。すぐ隣でシェフが調理しており、彼の自宅に招かれたように錯覚する。
「本当に近いですよね」と笑う『タレーリン』のシェフ・渡部 雄さんは、オープンと同時に店を任された若き精鋭。
タイ料理の魅力を「ひと皿の中に多様な香りが混在していて甘、辛、酸と味わいがリズミカル」と語る。
それまでは7年ほどフレンチで腕を磨いており、その経験を活かした新しい美味しさを志向している。
例えば、「トムカータレー」は現地でもおなじみの魚介入りココナッツスープだが、サワークリームを入れて西洋的な発酵の酸味を加え、重層的に。
エビのすり身揚げ「トートマンクン」なら、フレンチの定番スープであるビスクを濃厚に仕立ててソース代わりに。そうすることでワインと抜群に合う味になる。
ハーブも含め、食材の多くを国産でまかなう点も意欲的な試みで、コースの最後まで料理の独創性は途切れずに続く。
自然派との相性に唸る¥6,000のペアリング!
この美味しさと抜群の臨場感をふたりで分かち合えるとは贅沢の極みだ。
【Tonight's Bill】
今宵のお会計!ふたりで計¥30,800
各皿に合わせて、ソムリエ厳選の自然派がなんと8杯も楽しめるワインペアリングはオーダー必至。
料理は他にヤムウンセンやゲーンソムなどが登場した。
そこだけ違う世界が広がるとひと目で分かるから、入店前から高揚する
神泉町のモダンスパニッシュ『ミネバル』が、至近ながらもよりディープな雰囲気の円山町の一角に移転。1階は気軽に立ち寄れるバル、2階はコースを味わえるレストランとして生まれ変わった。
シェフはスペイン料理歴15年以上で現地での修業も経験した峯 義博さん。
「スペインの同世代が店を開くなら」というテーマで作った新店は、まさに現地でデートに使われているような洒脱さと木の温かみが融合する空間だ。
「東京でしか食べられないスペイン料理」が粋な誘い文句に
コースでは“高級よりも上質”を信条に、日本食材を駆使しつつ華麗にスペインらしさを効かせる。
メインの肉料理が分かりやすく、青森の鴨に添えるのは、ふきのとうや安納芋。
シェリービネガーソースで仕上げ、合わせるのは“スペインのブルゴーニュ”と呼ばれる北西部の土着品種の赤だ。ワインがソースのごとく鴨を艶やかにし、両国の山の味が出合う。
シェリーも幅広くそろえ、カルダモン香る「フォアグラアイスクリームサンド」に、芳醇なシェリーを合わせるのも心憎い。
フォアグラのコクが一層リッチになり、口内で気品高く溶けていく。
シェフが15年作り続けている「サーモンのプディング」。
サーモンの身にホタテ、アワビ、いくらなどのマリネをたっぷり添えて。
¥6,600のペアリングはスペインワインで統一!
センスあふれるペアリングも¥6,600だからデートで気を張らず、ふたりで新たな味覚を開拓できる。
帰り際、「次はバルで」なんて約束を取りつけるのもお忘れなく。
【Tonight's Bill】
今宵のお会計!ふたりで計¥38,720
5種のタパスを含む6皿構成。ボリュームたっぷりのメインがありながら、パエリアもいただける。
各皿につくワインペアリングはぜひオーダーしたい。
カウンター越しで鍋を華麗に操る妙技に、今宵の期待が高まっていく
カウンター越しにすべてを見わたせるオープンキッチンで、寡黙に鍋を振る『トキ』のシェフ・常 勝広さんは恵比寿『マサズキッチン』出身。
同店は2008年に創業したモダン中華のパイオニアで、和食の八寸を思わせる「前菜盛り合わせ」など、ジャンルを超えた斬新な料理で新時代を切り拓いてきた。
初めて出合う斬新なアレンジで、なれ親しんだ定番中華の常識が覆る
常さんはそこでスーシェフまで務めた実力者。
ごまが上品に香って優しい「担々麺」は出自を明確に示す〆だが、オリジナリティの追求にも余念がなく、コースで食せば、他でなかなか出合えない個性的な料理が連続する。
海鮮料理の代表作は「黄色い麻婆豆腐」。豆板醤や辣油は使わず、生の唐辛子と山椒油で麻辣味を表現。
「企業秘密(笑)」の手法を駆使してネーミングどおりの鮮やかな黄色に仕上げる。
アミューズなら、赤身の味が濃いカメノコを特製ダレに漬け込んだ「紹興酒漬け」、肉料理ならタンを塊で火を入れてからしっとり仕上げる「唐辛子炒め」など、中華では珍しい牛の部位を主役に据えることも。
どれも「想像してみたら美味しそうだった」という常さんの閃きが活かされている。その発想力と技術力は本物。
斬新だが、食べれば王道の味わいという手法も名店譲りで、手練れな彼女との食後の充足感も高い。
【Tonight's Bill】
今宵のお会計!ふたりで計¥26,000
生ビール(¥600)で乾杯したあと、コースを楽しみながら紹興酒をグラス(¥1,100~)で1杯ずつ飲んでこの値段。
料理は他に冷製は珍しい「車海老のスープ」などが登場。
あらゆる出汁を自由闊達に操り、料理に合わせた味わいでゲストを驚かす
「フランス料理のソースは、メイン料理に匹敵するくらい、特別なものだと思っています」
そう話すのは、『atti』のシェフ・松野 敦さん。
これまで『Äta』でシェフを務めた他、『Restaurant Ode』などでも腕を磨き、昨年11月に独立を果たした。
料理はフレンチをベースに松野さんが旅先で得たインスピレーションを皿上で表現。この日は、タイや台湾の要素を随所に盛り込んでいる。
そんな、シェフこだわりのソースは、赤ワインソースやトリュフソースといったものではなく、料理に向き合い抽出したオリジナルだ。
「複数の出汁や発酵調味料、オイルなどを組み合わせ、ひと皿ずつに新たな命を吹き込むようにして完成させています」
冷凍庫には、牛肉、鶏肉、穴子、野菜などの出汁を真空にしてぎっしりとストック。それらをメインの食材と掛け合わせ、新たな味を作り出している。
また、食材にもこだわり、足で探す。休みになると、全国の道の駅に行き、例えば全生産者のにんじんを買って一番美味しい生産者の元を訪ねる、というから驚く。
盛り付けの美しさに目を見張り、口にすれば味の複雑さに笑みが溢れる
「春ホッケと台湾セロリ」は、珍しい函館産の春ホッケを昆布締めに。
台湾セロリを巻いて発酵キウイと自家製リコッタチーズ、フヌイユのオイルをかけたもの。
「いんげん豆のくず餅タイ風」はホッキ貝とマンゴーといんげん豆をナンプラーのソースでタイ風にしたひと皿。
スペシャリテは作らず、常に新しいひと皿が生み出されるため、コース8皿との出合いはすべて珠玉の価値あり。
その時しか味わえない、食材とソースの妙を堪能しよう。
【Tonight's Bill】
今宵のお会計!ふたりで計¥33,120
「おまかせコース」2名分にグラスワインそれぞれ2杯ずつを合わせて、この金額。
ペアリング(¥7,700)もあり。評判の自家製パンも抜群に美味しい。
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