2. SNS上で繰り広げられるマウンティング合戦
学歴マウント
『もともと音大志望でしたが、親に言われて仕方なく東大を受験することにしたんです』
『ハーバードかイェールに行くつもりだったのですが、親の介護のこともあったので、仕方なく東大進学を選びました』
上記のように、自分が高学歴であることを自慢したり、反対に相手の学歴が低いことをけなしたりする行為を「学歴マウント」と呼ぶ。
最初の例は、東大に合格する能力を持っているだけでなく、芸術などの分野においても優れた才能を持っていることをアピールしている。
次の例は、海外の名門大学への進学が実力的に可能であったことを示し、自分にとって東大は唯一の選択肢ではなかったことを強調している。
東大受験生の中でも最上位層の学生にとっては、合格すること自体はあたりまえであり、「いかにたいした対策もせずに合格したか」を示すことが重要となる場合がある。
「私は学歴を気にしない」「学歴主義は好きではない」と強調する人がいるが、そういう人ほど実は学歴を気にしていて、自分の子どもの学歴にこだわる傾向があったり、当の本人もかなりの高学歴だったりする。
東大出身の起業家がメディアのインタビューなどで「学生時代はバンド活動に明け暮れた」「受験勉強は基本的にしたことがない。そもそも高3の秋までE判定だった」と述べたがることにも、同様の背景があるのではないかと思われる。
例えば、ワイン愛好家マウントはこちら。
『この生産者さん、とても気さくな方ですよね。シャンパーニュ訪問時には本当にお世話になりました』
『◯◯地方の◯◯年のものは、独特の風味があって優秀ですね。以前に試したワイナリーのものに似ている気がします』
最初の例は、フランスなどのワイン生産者との交流をさりげなく披露することで、ほかのワイン愛好家との差別化を図っている。
また、自宅のワインセラーの写真を見せたり、稀少なワインについて話すことでワイン通な自分の姿を周囲に対して強調する人もいる。
虎の威を借るマウント
権威性の高い存在との関係性を示すことによって、自身の価値をアピールする行為を「虎の威を借るマウント」と呼ぶ。
権威ある組織や団体に所属したり近い関係にあることをアピールすることによって、自分自身が世間から高く評価される人物であることを示そうとする。
その1つが「ゴールドマンマウント」だ。
『ゴールドマン・サックス時代の上司が教えてくれたのは、徹底したプロフェッショナル意識と顧客本位の姿勢でした』
『彼氏がゴールドマン・サックスで働いているんだけど、毎日夜遅くまで働いていて、なかなか会えないんだよね』
世界屈指の投資銀行として知られるゴールドマン・サックス出身であることをさりげなく示すことで、自身の優秀さをアピールするマウント。
あからさまにゴールドマン・サックス出身であることを自慢するのではなく、「GSのジュニア時代は、働きすぎて体が弱るとすぐに胃腸炎になっていました」などと話の流れの中で自然に前職の話題になるように仕向けることがポイント。
また、彼氏がゴールドマンで働いていると自慢げに語る女子も少なくない。
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