2024.03.21
SPECIAL TALK Vol.114
コロナ禍を経て、心境に変化が生まれた
金丸:現在、ねぶた師には、北村さんの他に女性の方はいらっしゃるんですか?
北村:ひとりいます。昨年、父のお弟子さんだった方がデビューされました。
金丸:なんと!「女性には無理だ」と考えていたお父様が、ふたり目の女性ねぶた師を世に送り出したんですね。
北村:すごくいい流れだと思っています。これまでは私が「唯一の女性ねぶた師」といわれてきましたが、今後は女性がいることがスタンダードになっていくんじゃないかと。
金丸:ねぶた師さんは、全部で何人いらっしゃるんですか?
北村:いまはちょっと人数が増えて、確か17人だったと思います。
金丸:お父様は以前、複数のねぶたを受け持っていたということですが、ねぶたの台数は?
北村:ねぶた祭りには23の運行団体があるので、ひとりで複数担当されている方もいますね。父もいまは2台制作しています。
金丸:あの大きいねぶたを複数台担当するって、大変ですよね。でもいずれ、北村さんも2台担当することになるんですか?
北村:団体から依頼されたら、そうなるかもしれません。実はねぶた師って、たとえば「クリスマスねぶた」のように、冬も活躍しているんですよ。
金丸:クリスマスにねぶたですか。言われてみれば、あの灯りの感じは冬にも合いそうですね。
北村:私は3年前から、銀座の松屋さんからご依頼いただいています。昨年は惑星の間を飛び回るサンタクロースを作りました。
金丸:なるほど。祭りの時と違って、依頼に応じていろいろなものを作るんですね。
北村:でも、もっとたくさんの人に、いろいろなねぶたを観てもらいたいです。
金丸:冒頭にもお話ししましたが、日本の祭りって、どうも内向きな感じがします。伝統的な良さがある一方で、もっと海外に向けて発信したり、海外の人がもっと楽しめる要素を取り入れたりすることも考える必要があるんじゃないかと。
北村:私自身は、これまで通りの祭りやねぶたでいいと、伝統にあぐらをかいていてはいけないと思っています。ねぶたの姿も徐々に変化していて、色鮮やかで派手に、そして繊細になっているし、灯りも、かつてはろうそくだったものが電球に変わり、いまではLEDに。
金丸:新しいエンターテインメントが次々と登場する中で、お祭りならではの良さって、やっぱりありますよね。人だかりがあって、賑やかでワクワクするとか。思いがけない出合いがあるとか。
北村:お祭りは、子ども時代のワクワクを思い起こさせてくれます。これまでのねぶた師が切磋琢磨してきたように、私たち若い世代も競い合いながら、新しいことに挑戦して、もっといいねぶたを作り、もっといい祭りにしていきたい。コロナ禍を経たからこそ、なおさらそう思いますね。
金丸:ねぶた祭りも、やっぱりコロナの影響は大きかったんですか?
北村:2020年から2年連続で中止になり、22年は制限付きでの実施となりました。
金丸:では、昨年が4年ぶりとなるフルスペックのねぶた祭りだったんですね。
北村:はい。それで改めて「ねぶたが作れるだけでありがたいな」と感じました。コロナ前は、他のねぶた師に負けたくないという気持ちが第一だったように思います。もちろん、いまも負けたくない気持ちはありますが、それ以上にねぶた師は仲間であり、一緒に文化をつないでねぶたを発展させていきたい、という思いの方が強いです。
金丸:なるほど。お話を聞いていると、北村さんの原動力って、ねぶたや絵が好きという気持ちですよね。誰かに言われてやっているのではなく、好きだからのめり込んだし、のめり込んだからこそ使命感も生まれてきた。
北村:それはそうですね。好きに勝るものってないですよ。
金丸:いままで以上に多くの人が、好きで得意なものに熱中することが、日本経済を上向かせ、文化を発展させることにつながるはずです。いろいろ悩みながらねぶたにたどり着いた北村さんが、伝統を守るだけでなく、まだ見ぬものを生み出すために挑戦を続けている。それを応援するために、まずはねぶた祭りの会場で、生のねぶたと熱気を味わわないといけません(笑)。
北村:ぜひぜひ。一度体感していただきたいので、青森でお待ちしています(笑)。
金丸:今年の夏も大盛況のねぶた祭りになるといいですね。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。
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