2. 物語思考とは何か
この本で目指しているのは、「物語思考」という考え方を使って、頭の枷を取り外し、自分のキャラをつくることで、行動しやすくして今を充実させるというもの。
「物語思考」とは、一言でいうと「自分の理想どおりに人生を動かすために、1つの物語を作るように考える」ものです。
自分を主人公にして「物語を進めるように」人生を送ること。これが「物語思考」です。
みんな「やりたいことがない」と悩んでいたり、「仲間が見つからない!」と障害があったり、「チャレンジするのが怖い」という不安を持っていたりしますよね。でも「物語思考」で考えるだけで、いい意味で他人事感が出て、多くのことを楽しみながらクリアしていけるようになります。
つまり「物語思考」とは、イメージとして「小説を書く」ようなものです。
自分という「主人公」のなりたい姿を決め、「キャラ」を設定します。それから、キャラが活きる環境を作って、物語を「転がして」いきます。
「物語思考」を実践するためには、以下の手順でインストールするとよいでしょう。
①自分を制限している頭の枷を取る
ほとんどの人がいきなり行動できません。無意識に脳内にある枷が障害となってしまうことがたくさんあるので、それを一つひとつ取り除いてみます。
②なりたいキャラクター像を設定する
物語にはキャラクターがいて、そのキャラが動いていくのが基本なので、自分の「キャラ」を作ります。
③そのキャラを実際に動かす
キャラを行動させる方法を考えます。行動させることで、キャラが強く定着していきます。
④そのキャラが活きる環境を作る
人間は弱い生き物なので、キャラを作り行動し始めても環境の力でよくも悪くもなります。自分が設定したキャラを無理なく続けられる環境に、いかに飛び込んでいくかという話です。
⑤そのキャラで「物語を転がす」
何かにチャレンジして人生を進めていくことを僕は「物語を転がす」と言っているのですが、その具体的な方法をお伝えします。大きなチャレンジをして、時に失敗しながら壁を乗り越えていく物語が最高なのですが、普通は恐怖や不安のほうが勝ってしまいますね、その乗り越え方を、色々な角度から伝授します。
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ここでは「①自分を制限している頭の枷を取る」について詳しくみていきます。
3. 頭の枷を外して自分の「なりたい状態」を見つけよう
「なりたい状態」を見つけるには、「何をしたいか(Do)」ではなく「どうありたいか(Be)」を作ったほうがいいです。しかし、多くの人は現実的な範囲でしか想像できません。
この「なりたい状態」は、過去からの積み重ねで考えるのではなく「未来になっていたい状態」から考えるほうが、現在の行動への影響度は高い。
例えば「10年間野球をやっていた」人がいるとします。10年間やっていたのだから、過去からの積み重ねで考えると今日も野球をやりそうですよね。
しかし、その人がよく考えた結果「将来はプロのテニスプレイヤーになりたい」と本気で思ったら、今日は野球ではなくテニスの練習をするでしょう。
10年後になりたい状態を100個書く
多くの人は、30~50個書いたらネタが付きてしまいます。そのときは、無理やりでも100個書いてみるのがおすすめです。
これをやると、「制限なしに書いて」と言われたのに、勝手にブレーキをかけて書いちゃうんですね。「年収1,000万円で」とか「今の会社で部長になる」とか。
制限なしなので「年収1億円」でも「社長になる」でもいいわけです。
でも、1,000万円にしてしまうのは、自分の中で勝手に「これはさすがに無理だろうライン」を引いてしまっているからです。
「抽象度」を上げる
なりたい状態を書き出したら、次は「抽象度を上げる」作業をします。
抽象度を上げるというのは「なんでそうなりたいんだっけ?」というものを、自分でもう一度上位の理由を考える作業です。
たとえば「1億円がほしいのは、実は金銭的な自由がほしくてお金の不安を持ちたくないから」、というように抽象化していくと、より自分の求めていることにフィットした目標になっていきます。
さらに「金銭的な自由がほしい」「不安を持ちたくない」というところから考えると「働くことでお金をもらうだけじゃなくて、働かないで必要なお金を手に入れたいなと思うようになるかもしれません。
これは、「なりたい状態をより理想のものに近づける」作業です。なんとなくの「なりたい状態」があるときに、それを言語化するのは難しいので、ここは時間をかけてやってみてください。
この記事へのコメント
受験生時代にはお世話になった思い出があります。
この著書の内容のような「思い込み」法、私もよくやるし周りにも勧めていますが、私の説明法が悪くて勘違いされることが多いので、このように明文化してくださるといいなと思いました。