2024.02.08
2024年も2月の半ばに突入しようとしており、まだまだ寒い日が続くこの時季。
そんな日も心がほっこり温かくなるような、ホットな新店へと足を運んでみてはいかがだろう。
薪焼き和食が楽しめる『時限堂』、あの有名焼肉店『焼肉ジャンボ』プロデュースの『やきにく屋はやし』、マンションの一室に潜む大人の酒場『コーヨーハイツ』、上質カウンターフレンチ『DAN』、日本料理の新星『紀尾井町 南かわ』。
グルメな大人たちが集う、東京で話題のおすすめ美食店5軒をご紹介!
表通りからは見えづらい、控え目に光るサインに期待が高まる
一時の薪焼きブームも落ち着きを見せ始めた昨今だが、2023年12月にオープンした『時限堂』は、それまでの薪焼きをより進化させた焚き火料理の店として、今、フーディらの話題を呼んでいる。
大将の経験が昇華された逸品の数々に、日本料理の豊かさを知る
「食事のひと時は出来うる限りお客様に喜んで頂きたいと思って」と想いを語るのは、焼き場に立つ飯塚淳至大将46歳。
老舗の和食店で基礎を固め、あの『鈴田式』で薪焼きの面白さに目覚めたベテランだ。
その後、神楽坂『紀茂登』、西麻布『蒼』で研鑽を重ね、素材の持ち味を活かすシンプルな料理に感銘を受けた飯塚さん。
ここではそれらを昇華させ、薪だけに拘らず、空芯菜は藁を加えて豪快に炙り、ハラミは炭火とウイスキー樽のチップで火を入れる等々、素材に合わせた熱源や薫香で変化をつけている。
飯塚さんが黒毛和牛のハラミの熱源に選んだのは炭火。脂が多めの黒毛和牛には直線的に火が入る炭火が合うと思ってのことだとか。
ウイスキー樽を使い、甘い香りを加えている。
ハラミの飯蒸し。味付けは塩のみとシンプル。
また、ふくよかな旨みの昆布だしのお椀や旬の情景を写し出した八寸など和食の基礎が光る一品がコースの合間に出されるのもここならでは。
〆は「ご飯のお供」とともに好きなだけ!
〆の食事は薪焼きの大根飯。薪火で炙った大根を混ぜている。
これに、薪火にかざしたサーロインやなめこ、釜揚げしらすに醤油漬けの卵黄など具をトッピングし放題というのも嬉しい。
薪料理との巧みな融合を楽しみたい。
六角形の焼き台を取り囲むように設えた栃の木のカウンターが、檜とはまた異なる寛ぎ感を与えている。席数は8席のみ。
スマホが充電できるのも嬉しいポイント!
漆の折敷の横にはスマホ置きが。なんと充電もできるようになっている。
■店舗概要
店名:時限堂
住所:港区赤坂3-9-2 No.R赤坂見附 1F
TEL:非公開
営業時間:[一部]17:30~
[二部]20:30~
定休日:不定休
席数:カウンター8席
予約困難な人気店と変わらぬ美味が近所にある幸せを、目黒住人は噛みしめる
吟味した黒毛和牛の仕入れと、部位ごとの持ち味を高める切り方の工夫、そして自慢のタレが評判となり、今や“予約の取れない焼肉店”としてあまりにも有名な『焼肉ジャンボ』。
篠崎本店と本郷店、はなれのほかに香港にも同名のプロデュース店があるほどの人気だが、この度、国内初のプロデュース店として誕生したのが、『やきにく屋はやし』。
目黒で飲食店を営むオーナーが『焼肉ジャンボ』の社長・南原範充さんと意気投合。料理長の西島正和さんは1年間本郷店で修業をし、万全の体制で開店した。
“本丸”で仕込んだタレを使うジャンボ名物の「野原焼き」は必食
和牛オリンピックで日本一に輝いた「鳥取和牛」を“ジャンボ”譲りの技で切り、“ジャンボ”特製のタレで提供。
さっと炙ったらすかさず卵にくぐらせて、ひと口。
とろけるような食感を楽しんでからご飯にオン。
霜降りが美しい牛タンの上質さたるや
「上タン」(2,400円)には、アメリカの最高肉質等級である「USプライム」の希少なタンを使用。
更に希少な「黒毛和牛上タン」(3,600円)が入荷する日もアリ。
新たな名物のにぎりに満たされる
「鳥取和牛のにぎり」680円(1貫)。
ユッケのタレで味付けしたトモサンカクを、スタッフがゲストの前でさっと炙り、酵素玄米のにぎりに巻いてくれる。
ちなみに、酵素玄米は栄養価が高く“腸活”にも良いと話題。
艶やかなレバーは鮮度に驚く
関西風の甘めのタレを纏った「レバー」(1,200円)は程良く焼いて食すべし。
こちらも“ジャンボ”直伝だ。ホルモン類の味付けは、タレのほか甘辛味噌も。
〆の麺もファン多し
具は半熟卵と白髪ねぎのみとシンプルな「冷麺」1,300円。
クリアなスープは鶏ガラ、牛テール、鶏のモミジ(足)で取っている。
オープン早々からブレイクが約束された新星だ。
■店舗概要
店名:やきにく屋はやし
住所:目黒区下目黒2-17-22 東和ビルⅡ 1F
TEL:03-6303-9129
営業時間:17:00~(最終入店 22:00)
定休日:無休
席数:テーブル18席、個室2(8席)※要予約
なんの変哲もない「弘洋ハイツ」の一室に店が!
新店のオープンラッシュが続く学芸大学。賑やかなネオ居酒屋が台頭する中、それとは一線を画す大人好みの一軒が誕生した。
場所は商店街の路地裏にあるマンション「弘洋ハイツ」の一室。
玄関のドアを開ければ大人の酒場。この秘密基地感は悪くない
看板は掲げず、入口も至って普通の住宅のドア。
だが扉を開けた瞬間、シックなコの字カウンターが広がる別世界にワープする。
『コーヨーハイツ』で味わえるのは、会席料理をカジュアルダウンさせた和食の数々。
日本料理ひと筋に研さんを積んできた料理長による、カウンター酒場とは思えぬ料理のクオリティーに驚かされる。
同店は神楽坂の割烹料理店『夢二』の運営会社の新業態であり、素材へのこだわりや皿の美しさにもそのイズムが光る。
「東京であまりなじみのない食材や料理も提案したい」と、常磐もののメヒカリや津軽鴨、四万十麦酒牛などを使ったメニューも食指が動くものばかり。
「毛蟹と生雲丹いくら添え」1,500円。
カニ味噌を和えたカニの身とうに、いくらが三位一体になった濃厚な旨みが贅沢。
美味に浸れる空間に、「こんな店を待っていた!」と感度の高い大人たちが早くも通い詰めている。
店名入りの特製グラスは、味も写真映えも抜群!
右.オリジナル酎ハイが人気。目の前で抹茶を点てる「おとなの抹茶ハイ」700円。
左.果物を選び注文ごとに搾って作る「本日の生搾りサワー」700円。日替わりで3~4種類を用意。
■店舗概要
店名:コーヨーハイツ
住所:目黒区鷹番3-7-13
TEL:03-6303-0514
営業時間:17:00~(L.O.22:30)
定休日:不定休
席数:カウンター15席
高所得者が多く暮らしながらも、“隠れ家”感がある住宅街であり、わざわざ訪れたい店も多くある世田谷・淡島エリア。
その一角に、強い引力を感じさせるカウンターフレンチが新たに出現した。
『DAN』のオーナーシェフ・高田有基さんは、株式会社ひらまつで代官山『メゾン ポール・ボキューズ』、『レストランひらまつ 広尾』に所属。
さらに、大阪の『ラ・フェットひらまつ』では副料理長となり、フランス料理の経験を積んだ。
その後、南青山『L’AS』では副料理長を務め、2023年秋に独立開業。『L’AS』の同僚だった杉山 徹さんと共に、店を切り盛りしている。
U-1万円のコースでも、高級食材を躊躇なく使うレベルの高さに歓喜する
正統派フレンチで腕を磨いたふたりが繰り出すコースが9,350円と“アンダー1万円”でありながら、しっかりとした構成の料理に紀州鴨、白子といった高級食材が盛り込まれていたり、焼き立てで供されるフィナンシェなど、食べ込んだ大人も満足できる魅力がそこかしこに。
燻した寒サワラにパンチェッタとミニ白菜を巻き、黒胡椒が香る寒サワラのコンソメとハーブを添えた「寒鰆 娃々菜(わわさい)」。
「紀州鴨 エピス」は、カルダモンやシナモン、オレンジが香る赤ワインソースの艷やかさが確かな技術を物語る。
近隣に住まう人に、羨望の眼差しを向けざるを得ない注目店だ。
■店舗概要
店名:DAN
住所:世田谷区代沢4-34-10 YKビル 1F
TEL:03-4400-9986
営業時間:17:00~(L.O.23:00)
定休日:不定休
席数:カウンター8席 ※要予約
名店のほまれ高い、麻布十番の日本料理店『麻布 幸村』。優れた料理人を多数輩出していることでも知られるが、またひとり、卒業生として独立を果たした新鋭が。
それが『紀尾井町 南かわ』の店主・南川広行さんだ。
師匠・幸村 純さんの料理に魅せられて門を叩き、10年間にわたる修業を終え“不惑”の年にして自身の城を構えた。
小体だからこそ、南川さんの技を眼前に望めるカウンターは特等席。
華美でないから心に染みる、正統派な日本料理こそいちばんの贅沢
おまかせのコースは先付、“幸村”でも愛されている多彩な料理を豆皿に盛る八寸、向付、椀物、焼き物、お凌ぎ……と、メリハリと季節感のある内容で構成され、味覚も視覚も満ち足りる。
19,800円という価格はお値打ちだろう。
優しい甘さの白味噌のお椀には、鴨肉の餡を包んだ百合根まんじゅうが。
すべてコース(19,800円)の一例。
“幸村”直伝の花山椒鍋で春を先取る、そんな楽しみ方ができる年齢になってきた
また春先には『麻布 幸村』から世に広まった名品「花山椒のしゃぶしゃぶ」も登場予定。
さわやかな刺激が心地良い花椒と和牛のリブロース、そして門外不出の鍋つゆの相性の良さは圧巻。
今から馴染みになってプラチナシートを押さえたい。
ゆっくり語れる個室もアリ
カウンター席のほか、親密なディナーや会食にも使える4席の個室も。
■店舗概要
店名:紀尾井町 南かわ
住所:千代田区麹町3-5-16 サンゴビル 4F
TEL:03-4400-3330
営業時間:17:30~(L.O.20:00)
定休日:不定休
席数:カウンター6席、個室1(4席)※要予約
1月19日(金)発売の「銀座な日、行くべき店。」を読みたい方はこちらから!
今月の『東京カレンダー』は「銀座」を特集!大人なら誰にでもある大切な人を笑顔にしたい “銀座な日”に行くべき店をあますとこなく紹介。
ぜひ思い出に残るディナーを過ごしてほしい。
月刊誌『東京カレンダー』は、毎月21日頃の発売です。お近くの書店、コンビニでお求めいただけます。
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