木野瀬凛子、31歳。
大手広告代理店営業部に勤務し、この4月で9年目を迎えた。
常に凛としていて卒なく仕事をこなす凛子は、周囲から一目置かれている。
しかし本来の彼女は天才肌でもなんでもなく、必死に頑張って研鑽を重ねている努力型の人間。
張り詰めた気持ちで毎日を過ごしている。
そんな凛子には、唯一ほっとできる時間がある。
甘いひとくちをほおばる時間だ。
これは、凛子とスイーツが織りなす人生の物語。
2023年は、本当にありがとうございました。2023年ヒット小説総集編、「甘いひとくち〜凛子のスイーツ探訪記〜」一挙に全話おさらい!
第1話:金曜日の夜。社内随一のデキ女が独り訪れたのは…
凛子は学生時代からずっと、どのコミュニティにいても「できる人間」として頼られる。
切れ長の瞳に、通った鼻筋。167センチの高身長。そんな見た目が、“かっこいい”という評価につながっていることも自覚している。
学生時代にはバレー部のキャプテンを務めていたし、成績もよく、慶應義塾......
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