2023.12.25
オトナの5分読書 Vol.13「もっとキャリアアップしたい」「もっと洗練されたオトナになりたい」「もっとモテたい」
そんな上昇志向が強いオトナのために、東カレ編集部が厳選した“ワンランク上の自分になれるための本”を紹介します。
最近活字離れが進んでいる貴方も「5分だけ」読んでみてください!
今回、ご紹介するのは、『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』中野信子著(サンマーク出版)。
▶前回:人生100年時代。どうせ長生きするなら、思いっきり楽しみたい人が今からできるコトとは
▼INDEX
1. 運がいいってどういうこと?
2. 運のいい人は、自分を大切に扱う
3. 運のいい人は「自分は運がいい」と思い込む
4. 運のいい人はプラスの自己イメージをもつ
5. 本書のココがすごい!
世界的企業であるパナソニックの前身・松下電気器具製作所を創業した松下幸之助氏は、採用試験で必ず最後に聞く質問がありました。
それは「君は運がいいか?」というもの。
そして「はい、運がいいです」と答えた人のみ採用したという話を知っている人は多いでしょう。
自分のことを「運がいい」と思っている人は少しぐらいの逆境でもあきらめたりせず、真正面から立ち向かい乗り越える力があります。それは、「自分は運がいいので絶対大丈夫」と信じているからです。
松下幸之助氏のこの質問からもわかるように「運」は、必ずしも、その人がもともともっていたり生まれつきで決まっていたりするものではなく「その人の考え方と行動パターン」で変わるといえます。
運がいい人には、共通した考え方や行動パターンがある。つまり運はコントロールできるものなのです。
このような考え方のもと、この本では「運を良くする」考え方や行動パターン、振る舞いを脳科学的見地からつきとめて、自分の脳を運のいい脳にするためのヒントを紹介しています。
運というのは、一見非科学的なものなので、科学者が運を扱うのは不思議な感じがするかもしれません。
運・不運というのは、だれの身にも公平に起きていて、その運をどう生かすかに少なくとも人は主体的にかかわっていける、というのが私の考えです。
まず、運・不運がだれの身にも公平に起きている、ということを考えてみましょう。
数学の理論にランダムウォークモデルと呼ばれるものがあります。
たとえばコインを投げたときに、表が出たらプラス1進み、裏が出たらマイナス1進む、と決めておきます。
実際にコインを1万回投げ、その結果を座標軸に落とし込むということをします。すると、結果が完全にゼロのところに落ち着くということは、実はほとんど起きません。
およそプラスのほうに200~300、マイナスのほうに200~300くらいの結果になることが多い。また、1万回すべてがプラス、あるいはマイナスということもめったに起きません。
運もこれと同じようなもの。
人の一生にはおおよそ半々の運・不運があるように考える人も多いかもしれませんが、ランダムウォークを仮定すると、人生という限られた期間における目の出方はある程度はどちらかに偏ってしまいます。
しかし、圧倒的にプラスだとかマイナスだという人も存在しないといってもいいくらい、めったにいるものではありません。
さらに、脳科学的にみると、マイナスがしばらく続くと不運、プラスが続けば幸運ととらえてしまう特性が人間にはあります。
私たちの脳には、実際はランダムなのに、たとえばプラスが5回続いて出ただけで、プラスの連続が多すぎるように感じられる。脳はプラスやマイナスの連続が、偶然によって生じたにすぎない、ということをなかなか受け入れることができません。
つまり、運がいい、悪い、というのは脳がそうとらえているだけで、冷静に現象面だけを分析すれば、まったくの錯覚にすぎないということになります。
「そんなことをいっても、やっぱり運のいい人というのはいるし、自分もそうなりたい」という方のために、この本はあります。
それではなぜ、運のいい人と悪い人に分かれるようにみえるのか。
ごく大ざっぱにいうと、運がいい人というのは、だれにでも公平に降り注ぐ運をより多くキャッチできる人、また、より多くの不運を防げる人、あるいは不運を幸運に変えられる人だと考えられます。
運が悪い人というのはこの逆で、運を逃しやすく、不運をつかんでしまう人、あるいは不運を幸運に変えられない人、といえる。
運がいい人というのは「単に運に恵まれている」というわけではなく、運をつかみ、同時に不運を防ぐような行動、物事のとらえ方、考え方をしているのです。
そしてその行動パターンや考え方が、なぜ運をつかみ、不運を防ぐことにつながるのか。そこを探っていくと、科学的説明がつく行動パターンや考え方が意外に多く出てきました。
いつもの行動や考え方を少し変えたからといって、急展開で運がよくなることはないかもしれません。
しかし、毎日少しずつ、運をよくするための行動や考え方を積み重ねれば、今日よりはちょっといい明日が、明日よりはちょっといい明後日がきっとやってくる。そしていつか気づくと生き方が変わっている、同時に運が味方してくれるようになる。そう私は確信しています。
◆
今回は、本書のなかから、東カレ編集部がピックアップした、今日からでもできる、運をよくするための行動や考え方3つを紹介します。
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