2023.11.28
ビジネスで生まれる人間関係は、貴重な財産。関係を深めるなら、恵比寿で杯を交わしてみては?
高級住宅街に囲まれたこの街は、駅前の喧騒ゾーンを越えると実は静かで、お洒落で、ハイレベルな店が点在する。
相手が密かに心躍らせる、“仕事のサシ飲み”に最適な5軒をご紹介!
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グルメな上司との飲みは、店選びが会話の質を左右する。
例えば、それが少々込み入った話をする場面だとしたら―。『ミズノトリ』が正解だ。
こちらは同じ場所にあった日本酒バー『GEM by moto』の元料理長・深津麻紀さんがオーナーシェフを務める店。
深津さんの作る和食と、日本酒ソムリエが選ぶペアリングを楽しめる一軒だ。
食通をも唸らすユニークな料理とぴったりの日本酒で、上司の機嫌も上々に
メニューは酒場の定番がそろうが、どれも実に独創的。
ポテサラには奈良漬けやカカオニブを入れ、ナゲットの中はキノコのおこわで、それをBBQソースでいただく。
お刺身も種類によって異なる塩で、と徹底している。
ハツ、砂肝、もも、ムネのミンチ肉でキノコのおこわを包んだ名物の「ミズノトリナゲット」(1,200円)には、貴醸酒「仙禽オーガニックナチュールW」を。
しかも、アラカルトだが一品ごとにペアリングの日本酒が決まっているため、毎度悩む間もなく、酒が注がれていく。
円形カウンターにしたのも、スタッフが客の状況を逐一把握するため。
ふとした反応や一言から酒の好みを探ってくれるから、食後に話が盛り上がっても、なお新しい味に出合える。食も酒も進み、気づけば意見も受け入れられるはず。
心を近づけるには、ぜひこんな一軒で。
― Dishes we ordered ―
□白和え 900円
□いくらの醤油漬け 1,100円
□イカスミポテトサラダ 950円
□海老とマッシュルーム団子のいそべ揚げ 1,200円
□お刺身盛り合わせ 3,200円
□ミズノトリナゲット 1,200円
□山利のしらす炊き込みチャーハン 1,100円
□日本酒14杯 9,850円
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[total] 19,500円
■店舗概要
店名:ミズノトリ
住所:渋谷区恵比寿1-30-9
TEL:03-5422-9967
営業時間:【火~土】17:00~(L.O.22:30)
【日・祝】13:00~(L.O.20:00)
定休日:月曜
席数:カウンター14席、テーブル4席、立ち飲みスペース2席
恵比寿での店選びで意外と頭を悩ませるのが、“感度の高い後輩”とのサシ飲み時。相手が情報収集に余念がなく、ワイン好きであればなおさらだ。
先輩として一目置かれたいという心理も働くゆえ、セレクトのハードルはより上がる。
だが、そんな葛藤を鮮やかに払拭してくれる店が“五差路向こう”にはある。
オーナーソムリエの大内 豪さんのイニシャルtとナチュールを組み合わせた『tTure』は、その名が示すとおり、ワインを主とした店。
落とされた照明が心地良く、ビストロというよりはワインバーのような雰囲気で、ゆっくり会話をするのにちょうどいい。
旬の食材に身を委ねれば、「さすがですね」の視線がついてくる
料理はアラカルトのみで、“ワインに合うひと皿”が並ぶ。
スターターとしてオーダーしたい「おまかせ盛り合わせ」2人前 2,200円。
ドライトマトの戻し汁を使った茄子の洋風煮浸しなど、ユニークな一品も。
「鮮魚のカルパッチョ」1,600円~。
この日の魚は金目鯛。ラビゴットソースの甘酸っぱさが白ワインとよく合う。
肉の力強い味わいを引き出した「仔羊の白ワイン煮込み」3,500円。
サルシッチャの歯応えとカブの食感の妙を楽しむ「サルシッチャとカブのタリアッテレ」1,800円。
いずれも季節ごとにメニューが変わるので、その時々のオススメを選ぶのが正解。
グラスワインと楽しむのもいいが、せっかくなら奥のセラーから好みの一本を見つけたい。
ゲストが自由に選んでいい、というスタイルだけに、ワインに詳しければ程良く“先輩風”を吹かせられるし、詳しくなくてもリストと葛藤して気負う心配は無用。
先輩にとっての“心地いい”を、いい塩梅で叶えてくれる。
― Dishes we ordered ―
□おまかせ盛り合わせ 2,200円
□鮮魚のカルパッチョ 1,800円
□仔羊の白ワイン煮込み 3,500円
□サルシッチャとカブのタリアテッレ 1,800円
□苺のセミフレッド 500円
□自家製プリン 500円
□ボトルワイン 8,200円
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[total] 18,500円
■店舗概要
店名:tTure
住所:渋谷区恵比寿西2-8-11 グランベル恵比寿Ⅳ 2F
TEL:03-6452-5011
営業時間:【月~金】17:00~(L.O.23:00)
【土・日】15:00~(L.O.23:00)
定休日:無休
席数:カウンター7席、テーブル18席
長らく自粛ムードだった会食も、いよいよ解禁となり、需要が高まっている秋。「気心知れた取引先と、久しぶりに一杯」という流れになることも多い。
ブランクがある分、リストが更新されていないのであれば、早急に『恵比寿CRAFT』を追加することをオススメしたい。
店主の斎藤拓也さんは39歳。
「同世代の友人を見ていても、会食で懐石ってなかなか行かないですよ。値段も敷居も高いですから。でも日本料理はいい、っていうのはみんな分かっている。だったらうちは、正統派の日本料理を守りながらも、かしこまらない“おまかせコース”を目指したいと思いました」と語る。
一期一会の美しきコース料理が、今宵の満足度を高めてくれる
先付からお椀、焼物、〆の土鍋炊きご飯まで、コース構成は懐石のそれだが、驚くのは1万780円という価格設定。
そこには、「高級食材を使わなくても、季節の移ろいを感じてもらえるひと皿を出せる」という斎藤さんの強い信念が感じられる。
せいこがにとセリのおひたしに、甲殻類のエキスをジュレにして添えた「先付」。
「八寸」には旬の食材をふんだんに使用。
この日は秋鯖の棒寿司、栗の渋皮煮、鮭の南蛮揚げ、さつまいものチーズ寄せなど。
食事の前に供される「焼物」。
炭火焼きのイチボは、ごぼうと白味噌のソースとともに。
コースの〆を飾る「土鍋炊き込みご飯」。鰹だしで炊かれた「つや姫」に、甘鯛の炭火焼きの甘みと自家製からすみの塩味が絶妙なバランスで絡み合う。
料理はすべて「おまかせコース」(10,780円)の一例。会食利用でのリピーターが多いことから、内容を2週間で変えるというのもまたすごい。
酒も季節限定。巡り合わせを楽しんで
相手に気を遣わせることなく、ゆるりと寛いだ時間を過ごせる和食店は界隈では希少。
気負わず使える一軒として、押さえておきたい良店だ。
― Dishes we ordered ―
□おまかせコース 10,780円×2
・先付
・揚物
・凌ぎ
・造里
・煮物椀
・焼物
・止肴
・食事
・甘味
□グラスシャンパン 1,320円×2
□「黒龍」徳利 1,760円
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[total] 25,960円
■店舗概要
店名:恵比寿CRAFT
住所:渋谷区恵比寿1-18-5
TEL:03-6455-7841
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜
席数:カウンター10席、テーブル14席
前菜からメインまで、怒涛の「肉尽くし」に若者たちは歓喜する
皿から溢れんばかりに盛られたサラダ、湯気が立ち上る熱々のグラタン、厚さ約2cmのテリーヌ、そして迫力満点のライス入り骨付きもも肉……。
ボリュームたっぷりの大皿料理でゲストを沸かせる『BISTRO d’ami』のメニューは量も圧巻だが、「本日の魚」以外に魚料理はナシ、と“肉推し”を貫く点も特徴だ。
名店でキャリアを積んだ実力派シェフ、佐藤貴之さんが力を入れているのは鶏肉料理。フレンチでは“最もシェフの腕の見せ所”と言われる食材だけに、仕入れから厳選。
葉野菜の上に砂肝のコンフィ、ベーコン、マッシュルーム、たまごといった具材がダイナミックにトッピングされた「サラダリヨネーズ」1,680円。
熱々のSTAUBで供される「サルシッチャとマカロニのグラタン」1,500円。
ホワイトソースに肉々しいサルシッチャが絡み合う。
スターターの鉄板「フォアグラと6種類の肉を使ったテリーヌ」1,480円。
本店と同様のレシピで作られ、しっとりと滑らかで濃厚な味わいがたまらない。
中にポルチーニリゾットや香味野菜を詰め込んだ「ジャンボネット」3,290円。
名物「ジャンボネット」は宮崎県産の「森林どり」を使い、丁寧な下ごしらえでジューシーな味わいを引き出している。
また、ワインはグラスで常時10種類以上がスタンバイし、ボトルも4千円台からそろうのも嬉しい。
「好きなワインと旨い料理が味わえる。世界で一番、客として来たい店ですよ(笑)」と、ソムリエの加藤晃央さんが漏らすのも納得だ。
食べ盛りの若手と大いに飲んで、大いに食べ、大いに語り合う。
そんな豪快な夜を過ごすと決めたら、予約を入れたい。
― Dishes we ordered ―
□サラダリヨネーズ 1,680円
□サルシッチャとマカロニのグラタン 1,500円
□フォアグラと6種類の肉を使ったテリーヌ 1,480円
□ジャンボネット 3,290円
□クレープシュゼット アイス添え 750円
□ラムレーズンのクリームブリュレ アイス添え 750円
□ボトルワイン白 4,300円
□ボトルワイン赤 4,300円
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[total] 18,050円
■店舗概要
店名:BISTRO d’ami
住所:渋谷区恵比寿1-16-33
TEL:03-6277-4996
営業時間:【月~金】17:00~(L.O.22:00)
【土】15:00~(L.O.22:00)
【日・祝】15:00~(L.O.21:00)
定休日:不定休
席数:カウンター4席、テーブル20席
先輩を誘うとき、店選びで重要なのはまず雰囲気だろう。
背伸びし過ぎても、砕け過ぎても両者落ち着かない。隣席との間隔にゆとりがあり、ちょうどいいざわめきが満ちた店であることは絶対だ。
その上で、“確かな味”が供される店であることも大前提。旨い料理は場を和ませ、間をつないでくれる役割も果たしてくれるからだ。
そして欲を言えば、優しい価格設定である点も押さえたい。「ひとり1万円前後」という相手の財布に負担のかかり過ぎない範囲であれば、“いい夜”になる可能性は格段に高まるはずだ。
その点、『CKJ』なら安心だ。雰囲気、味、価格設定。
この3つが“奇跡”とも呼ぶべきバランスで成立している上、体に優しい無化調、有機ワインをそろえたペアリングといったフックになるコンテンツも申し分ない。
箸でいただく上品な小皿中華が、さりげなく感度の高さを知らしめる
コースはいずれも繊細な味わいの中に光るスパイスの妙に、唸ってしまう皿ばかり。
主題のみならず、ワインと料理も会話の盛り上げ役を担ってくれる。
「乾杯後、すぐに楽しんでいただけるよう、同時ではなくできたものからお出しします」というシェフの心遣いが嬉しい前菜小皿。
この日はキャノンボールくらげ、よだれ鶏、冬瓜煮、豚タンときゅうりのピリ辛和え。
コース2品目は「牡蠣とたまご豆腐 スープあんかけ」。
ふわぷる食感の卵豆腐と牡蠣の味わいが胃に染み渡る。
中国版“BBQソース”とも言うべき沙茶醤を豚の塊肉にまとわせた一皿。
少しクセのあるスパイス感には、チョコレートのようなコクを持つブルゴーニュを合わせたい。
季節ごとに具材を変えて供される炒飯。シンプルだがオイスターの旨みが満足感を引き出す。
料理はすべて「Cコース11月」(6,000円)の一例。
50本以上の有機ワインがスタンバイ
帰り際、「いい店知ってるね」のひと言を引き出せる、切り札の一軒として重宝すること間違いない。
― Dishes we ordered ―
□Cコース11月 6,000円×2
・前菜4種盛り
・牡蠣と卵豆腐のあんかけ
・本日の鮮魚 きのこあんかけ
・豚肉と蓮根の沙茶醤
・海老とセリの炒飯
□ワインペアリング 4,500円×2
・グラスワイン4種
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[total] 21,000円
■店舗概要
店名:CKJ
住所:渋谷区広尾1-1-36 PASEO恵比寿 3F
TEL:070-8969-2128
営業時間:ランチ 12:00~(L.O.13:00)
ディナー 17:30~(L.O.22:30)
定休日:日曜
席数:カウンター12席、テーブル4席
2023年12月号の『東京カレンダー』は、ときめきの「恵比寿」を大特集。東京随一のお洒落タウンで、真の大人が無条件にときめく店を徹底取材。
恵比寿を愛する皆さんはもちろん、「もう卒業」と思っていた手練れの大人方も、まだまだ知らない恵比寿が盛りだくさん。この街を使いこなせてこそ、東京はもっと楽しくなる!
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