2023.10.14
青山キラー通りから少し入った住宅街に、2022年夏にオープンしたイタリアン酒場『gnudi』。
酒場らしいアテと、自然派ワインとの組み合わせを楽しむことができる。
帰りにちょっと1杯というグルメな大人たちで毎夜賑わう、話題の一軒だ!
自然派ワインとアテを合わせて楽しむ!大人たちで賑わうイタリアン酒場
キラー通りから少し入った、わずか6坪の店内は今夜もほぼ満席で、笑顔があふれる。
調理、接客、ワインの案内とワンオペですべて切り盛りするオーナーシェフの藤生拓実さんがさわやかに言う。
「界隈にお住まいの常連はもちろん、口コミでいらっしゃる新規の方も多く、やりがいを感じます」
『gnudi』は昨年オープンしたイタリアン酒場。この場所にはそれまで、人気店『エビイロ』があり、店長として腕を振るっていたのが藤生さんだった。
独立をオーナーに相談したところ、「買い取る形での継続を提案され、快諾しました」。
前店と同様、自然派ワインを売りにするが、もっと柔軟に「酒場」であることを模索。新作の「唐揚げ」はすでに誰もが頼む人気メニューとなっている。
「酒場なら唐揚げはあるべき」とオンメニュー。ビール衣で作るフリッターをアレンジした「gnudiの唐揚げ(4ヶ)」710円。
その旨みに合わせたのはナッティでバターのニュアンスも感じられるイタリアの「ラ・カステッラーダ フリウラーノ 2015」グラス 1,375円。
◆
藤生さんが料理人を志したのは建築系の会社に就職してから。
学生時代にはレストランの他、アパレルショップでもアルバイトをしており、衣食住を制覇する中で「幸せに直結するのが食」と道を決めた。
最初は地元・立川の店で多様なジャンルの料理を勉強。同時に自然派ワインの知識も貪欲に吸収していった。
「幼少時から食べ慣れたイタリアンで勝負したい」と、ふさわしい修業先を求め、食べ歩く中で出合ったのが『エビイロ』を運営する「コローリ」だった。
「独立もすでに考えていて、勝負するなら23区と決めていた」。外苑前は想定外だったが、今はここで良かったと感じている。
キラー通りの東側は特に屈指の名店がいくつもあり、雰囲気は落ち着いている。客層も上品で感度は高く、この店の自然派ワインが美味しいと感じるだけの豊富な経験値がある。
ガス火のみでじっくり焼き上げ、艶やかでジューシーな仕上がりを実現。かめばかむほど旨みがほとばしる「和牛イチボ」150g 3,850円~。
合わせたのは珍しいサンセールの赤。貴腐菌由来の熟成感が合う。「セバスチャン・リフォー ラウドナス 2019」グラス 1,320円。
修業時代に学んだ和食を応用し、「天然平目の昆布〆とハーブのカルパッチョ」(1,650円)のような肴も提供。
ハーブが効いた酸味あるソースを添えている一品には強い果実みが楽しめるブルゴーニュの「ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチ ピノ・グリ 2018」(グラス 1,320円)を。
◆
イタリアンにこだわらないアテも面白いと受け入れてくれる。そんな素地が街にあるから今夜もこうして盛り上がるのだろう。
「目標はこの街で長く愛される店」。このにぎわいを見る限り、夢が実現することは間違いなさそうだ。
【Chef's Plofile】
一般家庭だったが、週に2回は夕飯がパスタという環境に育ったことも「大きかった」と振り返る。父が丸一日かけて作るボロネーゼが楽しみだった。
様々な業種を経験した上で「料理を作る楽しさ」を痛感し、飲食業界へ。
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1991年→東京都日野市生まれ。週に2日、両親のこだわりのパスタを食べる家庭に育つ。
2011年→大学在学中、吉祥寺イタリアン『ダルジャン』で3年間アルバイト。
2015年→卒業後、建築系の人材派遣会社に就職するが、半年で退職。
2015年→立川のワインバル『HAL BAL』に入る。
2018年→本格的にイタリアンを志すべく、外苑前『ドゥエ・コローリ』へ。
2020年→同じビルにあった姉妹店『エビイロ』を任される。
2022年→同店を買い取る形で『gnudi』と名を改め、独立。
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■店舗概要
店名:gnudi
住所:渋谷区神宮前3-41-2 岡本ビル 1F
TEL:03-6438-9392
営業時間:【火~金】17:00~(L.O.23:30)
【土】15:00~(L.O.22:30)
定休日:日曜、月曜
席数:カウンター2席+スタンディング、テーブル8席、テラス6席
今月の『東京カレンダー』は「密やかなる青山へ。」特集。上質で艶やかなデートでお株が上がる店だけを厳選してピックアップ。
昼のイメージが強いエリアの夜の美食体験は、ふたりの関係をより濃密にしてくれるはずだ。
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