2023.08.21
オトナの5分読書 Vol.4フーディーたちにとって重要なのは「美味しい料理に出合う」こと。
しかし、その料理が美味しいか美味しくないかの基準は、人によって違う。
「この人が美味しいというのなら行ったことがなくても人に推薦できるが、あの人がいくら美味しいといっても信じられない」という場合はある。
なので、フーディーたちは、同じような趣味嗜好を持つコミュニティの中で情報交換するわけだ。そこには趣味嗜好だけではなく、やはり経済力も加味される。
彼らが訪れたい店は、世界中のフーディーが訪れたい店。
しかし店のキャパシティは決まっているし、いい食材だって限られている。いい料理人の給料もどんどん上がっていく。
料理がアートと同じような価値をもっていくと、内装や器、場所にもこだわるようになっていき、それはすべて価格に跳ね返る。
いまや銀座や港区の寿司屋は一人前のお任せコースが5万円を超えるのも不思議ではなく、3万円しないと「安いね」といわれるほどだ。お酒を入れたら2人で10万円は最低でもかかる。
日本海のズワイガニや天然ふぐ、ジビエなどの料理を出す冬の日本料理店に行けば、ひとり10万円は普通だ。
銀座の有名なステーキ屋は、最高級ワインしか置いていないため、それらを開けるとひとり100万円以上の支払いになるのは当たり前といわれているし、料理だけでも20万円を優に超えるようだ。
ファミリーレストランのステーキ御膳なら高くても1万円はしないわけで、それでいいという人にとっては、銀座のステーキ屋に金を払う意味はまったく見いだせないだろう。
しかし日本の最高級のアワビがすべてこの店にきて、黒毛和牛のシャトーブリアンの一番いい肉がここで食べられるのであれば、プライスレスだと感じる人もいる。
このように、似たような価値観、経済的な価値を見いだせる人々がコミュニティを作っていく。
コミュニティは、ほとんどの場合がクローズドで存在すら知られていない場合も多い。
そこでは「ミシュラン3つ星レストランの副料理長が来年、独立することが正式に決まったよ」「西麻布のあのフレンチレストランのソムリエが今度、広尾の新しいレストランに転職するらしいよ」といった情報がいち早く飛び交う。
彼らにとって、そうした情報を誰よりも早く知ること自体が快感なのだが、コミュニティに属していると、さらに別の利点がある。
たとえば有名レストランの副料理長の独立が決まった場合、すぐに人気が出て予約が取れない店になってしまうかもしれない。だから、開業直後に店を一日貸し切り、まずは仲間うちで出かける。
そのコミュニティに属することで、新規開店で今後人気が出そうな店に参加する権利が得られるのだ。
ただ、世界的なフーディーたちは、そんな小さいコミュニティの中だけで動いているわけではない。
世界の飲食関係者にとっては、ミシュラン以上に信頼を得ているといわれている「世界のベストレストラン50」がある。イギリスで『レストラン』という専門誌を発行するウィリアム・リード社が2002年からスタートされたランキングだ。
「世界のベストレストラン50」の上位に入ったレストランには予約が殺到し、メディアにも多く登場するだけに、いまや世界のトップレストランは、ミシュランガイド以上にここで上位に入ることを念頭に置いている。
そして、そのランキングに世界のトップフーディーたちがとても大きく関わり、重要な役割を担っている。
というのも、ランキングを決める審査員は世界各国から選ばれた1,000人程度だが、「シェフやレストランの関係者」「フードライターなどのジャーナリスト」に加えて、「いわゆるフーディーと呼ばれる食通たち」が投票に関わるからだ。
フーディーの投票は、全体の3分の1を占めるので、大変重要な決定権を持っている。
審査員は毎年、一定数が入れ替わる。そして18ヶ月以内に実際に行ったレストランしか投票できないので、世界中を飛び回って食べられる人にしか審査員になれない。まさに富裕層のためのレストランガイドといえる。
このようにフーディーは美食を求め、美食のためにはお金も時間もいくらでもかける人々のことをいう。
それゆえ、まずはフーディーを取り込み、日本の食のよさをPRしてもらうことは、日本の地方創生にとって大きな意味を持つ。
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