「もしかして、ただの軽い男？」LINEではなく“デート前の電話”で、男がジャッジされた理由(1/3)[東京カレンダー

恋人や結婚相手を探す手段として浸透した「マッチングアプリ」。

接点のない人とオンラインで簡単につながることができる。

そう、出会うまでは早い。だけど…その先の恋愛までもが簡単になったわけじゃない。

私が、僕が、あの時NGを出したワケ。ここでこっそりと教えてあげる。

▶【Q】はこちら：「家は教えられない…会う前に電話がしたい」会うことを拒む26歳女に対して、男がしたこと

いつも東京カレンダーをご愛顧いただき、ありがとうございます。こちらの連載小説は、有料記事となります。

Episode02【A】：大野ほなみ、26歳。
初デートの前に電話をしたい。その意図はわかる？

「ねぇ、この前歌舞伎町タワーで声かけてきた男って、この人？」

私は、友達の麗香にアプリの画面を見せる。

恵比寿の『Pitfall』。私たちは仕事終わりに一杯飲みたくて集合した。

麗香と私が出会ったのは2年前。車代が出る港区の食事会だった。

「ん？…え！やばっ。この人だよ。田所雅也くん。え～！？アプリにいたの？」

彼女は、わかりやすく肩を落とす。

「まぁ、イマドキの男ならみんなやってるでしょ」

私は、ウイスキーのロックを飲みながらサラリと言う。

麗香の横顔は、今日もため息がでるほど美しく、髪が揺れるたびに女っぽいいい匂いがする。

「私、雅也くんと何回かゴハン行ってて、来週も約束してるの。アプリやってるの、結構ショックかも」

― ふぅん。

麗香の報告を聞き、私は雅也からの「いいね」に応えた。

『MTさんとマッチングしました！』

その表示を確認してから、スマホを裏返してカウンターに置く。