木野瀬凛子、31歳。
デキるオンナとして周囲から一目置かれる凛子は、実は根っからの努力型。
張り詰めた毎日を過ごす凛子には、唯一ほっとできる時間がある。
甘いひとくちをほおばる時間だ。
これは、凛子とスイーツが織りなす人生の物語。
◆これまでのあらすじ
大手広告代理店営業部に勤める木野瀬凛子、31歳。母親が突然家に訪問してきたのをきっかけに、長年抱えてきた心のつまりがとれた。凛子はそのときにもらったお菓子を、週明けに後輩・美知と食べようと決める。
▶前回:深夜の急な訪問者は、まさかの…。「あなたもう31歳よね」と言われた女が、その夜決意したこと
Vol.7 彼の地元のはんなりクッキー
週明け月曜のお昼休み。
凛子は、エシレの青い紙袋を片手に後輩の美知のもとへ歩く。
「ねえ、美知さん」
美知は、ブラインド越しに見える11階からの景色をぼうっと見ていたが、あわてた様子で凛子を見上げた。
「これね、親のいただき物を譲り受けたんだけど…よかったら今......
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