2023.03.02
プレゼントを開けたら Vol.11プレゼント。
その包み紙を開けたとき、送り主から相手への想いが明らかになる。
ずっと言えなかった気持ち。意外な想い。黒い感情…。
ラッピングで隠された、誰かの想い。
そこにあるのは、プレゼントなのか。それとも、パンドラの箱なのか──。
「プレゼントを開けたら」一挙に全話おさらい!
第1話:貞淑な妻が夫にねだった、まさかのクリスマスプレゼントとは…
「今年は何が欲しい?」
沙穂は、一呼吸おいて言った。
「何でも…。何でもいいんですよね?」
「あぁ。そう言ってるじゃないか。毎年なんでも買ってやってるだろう」
「今年はものじゃなくて…」
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第2話:独身仲間だった親友に、先を越された夜。結婚報告を受けた女が自覚した、誰にも言えない想い
『2人、付き合っちゃえばいいのに』
そう言われたことは1度や2度じゃない。
「こいつとは絶対ありえないから!!」
2人が口をそろえて答えるさまも息ぴったり。実は裏で交際しているんじゃないか、と、みんなが疑うほどお似合いだった。
けれど、2人は間違いをおかしたこともない。慶應大学で出会い、それぞれ別の総合商社に就職して8年。出会って12年の付き合いになる2人は、良き友達だった。あの日までは…。
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第3話:元日に母から「結婚の予定は?」と圧力をかけられる女。30歳でプロポーズを断った理由とは
「実は性格にかなり難ありだったりして?」
「かもね。でも、彼氏はいるらしいよ」
「へ~」
もし今、由美が個室から出て行ったら…。その気まずさを思うと由美は、今後の彼女たちとの関係性を考慮し、談笑が終わるのを待つしかないのだった。
それにしても、どんなに時代が変わったと言われようが、妙齢の独身女性に対する風当たりは未だに強い。腫れ物に触るような態度を取られてきたことは、一度や二度じゃない。まだまだ生きづらい世の中だと、由美は思う。
それでも、由美は意志を持って独身を貫いてきた。そこには、誰にも言えない理由があるのだ。
第3話の続きはこちら
第4話:和やかな送別会が、一気に地獄に…。女が後輩に送った最悪なギフトの中身
上ずった声で、緊張しながら挨拶してきた梨香子のことを、美枝は今でもよく覚えている。
見るからに柔らかそうな髪の毛はぴちっと一つにまとめられ、小柄な身体はリクルートスーツに包まれていた。
どこからどうみても、THE・新入社員。同性の後輩が苦手な美枝だったが、梨香子だけはなぜだか可愛く思えてしまった。
梨香子の教育担当に任命された美枝は、それから梨香子の面倒を見ていくことになった。けれど梨香子は、それはそれは手のかかる子だった。
第4話の続きはこちら
第5話:こんなプレゼント貰ったら、一瞬で別れる…。女が失望した、5万円の誕生日プレゼントとは
数年前まではモデルとして生計を立てていたというだけあって、美香のルックスは抜群だ。今でも十分にモテるであろう。
「街歩いてても、“あ、あの人!”って彼が指されるの!その横を歩いているのが、なんだか嬉しくて」
「へ~。俺らの知らない世界だな~」
しかし、男たちは思う。
「すごい人の隣歩いているとね、なんか自分も選ばれし人間っていう感じがして…。何とも言えない優越感があってね…!!」
「なるほどね…」
この女は、自分の市場価値がどんどん落ちて行っていることを、自覚していないのだろうか、と。
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第6話:プロポーズを保留にして海外赴任した女・28歳。赴任先で待ち受けていた、悲惨な展開
海外赴任が決まった当時、愛子は28歳。結婚適齢期に差し掛かる頃。結婚かキャリアか…と悩むのが普通なのかもしれないが、愛子の中に迷いなんて1ミリもなかった。
辞令が出たその日に、恋人の正樹の自宅に押し掛け報告。海外へ行くか否かを恋人に相談するなんていう発想はなかったのだ。
「ねぇ、ついに私赴任が決まったの!!しかも、ロンドンなの!」
大学の国際交流サークルで知り合った正樹は、愛子の憧れを知っている。だから、彼は絶対に喜んでくれる、そう信じて疑わなかった。
第6話の続きはこちら
第7話:「お前みたいな女はムリ」と冷たくあしらわれた女。幸せになるために取った強硬手段とは
ポストしたそばから、ピコピコとイイねやコメント通知がすぐに届く。けれど、そんな電子音に心は動かされない。もはや、自尊心が満たされているのかすら、よくわからない。けれど――。
LINEのメッセージ着信音が、麗奈のiPhoneを震わせる。
「っ!!」
ほとんどのアプリとLINEの、ほとんどの友達からの通知をオフにしている麗奈。LINEの着信音が鳴るということは、“あの人から連絡が来た”ことを意味していた。
第7話の続きはこちら
第8話:「これをプレゼントしたら、私のことを好きになるはず…」女が準備した大胆すぎるモノとは
「でね。私、想いを伝えるために彼にプレゼントをしようと思ってるの!バレンタインのプレゼント」
「ふーん、いいと思う」
あれこれと相手の考えていることに憶測を巡らせても、意味がない。だったらはっきりフラれた方が、優香も目を覚ませていいだろう。友人は、そんな想いで優香の決心を後押ししたつもりだったが…。
「あのね…」
優香の話し始めた計画に、友人の表情からはみるみる血の気が引いていった。
第8話の続きはこちら
第9話:悲しすぎる、交際記念日の贈り物。秘密の芸能人カップルが、報道陣から逃げてプレゼントしたのは…
ホールにかつかつと鳴り響く、ヒール音。
聞き慣れているけれど、その音が耳に響くと、もうすぐ彼に会えるのだと心臓がドキドキする。
向かいから歩いてくる住人の気配を察知すると、決まって真下を向く。顔を見られてはいけない。早く彼に会いたいと焦れるような気持ちの中、いちいち面倒な作業。
けれど、絶対に顔を見られてはいけないのだ。だって、沙耶は今をときめく女優だから。彼は、人気絶頂のアイドルだから──。
第9話の続きはこちら
第10話:「バーキンなんて全然いらない」超高級な誕生日プレゼントに文句を言う妻が、本当に欲しいものは?
「バーキン欲しいなんて、言ったことないんだけどな…」
杏奈は、ときおり思う。夫は、杏奈のことをどれだけ知っているだろう。どれだけ知りたいと思っているのだろう、と。
杏奈がバーキンを欲しがったことなんて、一度もない。彼が書斎に入ったことを確認すると、途中まで開けた箱を中身すら確認せずに閉じた。
ぶつくさ言いながら、杏奈はソファに寝ころぶ。そして、もう一度書斎の方を確認してから、杏奈はタートルネックの下に隠していたアレを取り出した。
第10話の続きはこちら
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