
とろけるような米沢牛を独特のスタイルで味わう
東京ですき焼きを食べさせる店は数多あるが、醤油ベースの割下で肉や野菜を煮込むスタイルが主流で『雅山』のように塩味で供するのは、めずらしい。
『雅山』で扱うのは、まろやかで深い味わいを持つ米沢牛。それも、3歳までの雌のみに限定している。
未経産牛は雄よりもクセがなくキメも細かい。塩すき焼きの場合、塩と日本酒とカツオ出汁のみで調理するため、臭みのない雌牛でなくてはならないのだという。
まず、鍋で焼かれた肉を卵にからめて食し、塩とカツオ出汁ベースの割下で野菜を煮込み、肉は色が変わったところで引き上げる。これはまさに、従来のすき焼きとは似て非なるもの。未知の美味に思わず感嘆のため息がこぼれる。