2022.12.13
柳 忠之のこの12本におまかせ Vol.25クリスマスウィークの食卓は、ちょっとリッチなワインで気分を上げたいもの。
そんな時は、スペインの名門ワイナリーが手掛けた、芳醇な赤ワインがおすすめ。
5,000円でちょっとリッチな気分になれる、とっておきの1本を紹介しよう。
◆
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専門誌からライフスタイル誌まで、幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味あるコメントに定評があるワインジャーナリスト・柳 忠之氏。
柳氏が東京カレンダーでワイン連載の担当となって5年目。ワインの勉強に日々奔走する編集・嵩倉の質問に、いつも親身になって答えてくれる。
ブルボン王朝にちなみ話題のスペインワイン
――あっ、柳さんが漫画読んでる!しかも少女漫画ですか?
柳「あっ、クラリン(編集担当の嵩倉)に見つかっちゃった。
これ、“ベルばら(ベルサイユのばら)”。連載開始から今年50周年を迎えるんだけど、僕がワインの世界に入るきっかけがまさにこれ。
“ベルばら”でフランスに興味を持ち、「フランスならワインでしょ」と、この業界で働き始めてはや35年。」
――まさか、柳さんのワイン業界入りのきっかけが漫画とは……。
柳「あはは。ご存知のとおり、“ベルばら”はフランス革命が物語の舞台で、国王ルイ16世は断頭台の露と消え、アンリ4世から5代続いた王政が廃止された。」
――あわれ、王妃マリー・アントワネットも……(しくしく)。
柳「でもこのブルボン王朝が今なお続いている国がある。」
――おや、なんと!
柳「フランスの隣国スペインだ。現国王フェリペ6世は太陽王ルイ14世の子孫にあたる。そこで今回のテーマはスペインワインだ。」
――なんとも強引な前振り(笑)。それで今、スペインで一番注目すべきワインは何なんです?
柳「グレドス山脈のガルナッチャで決まりだね。」
スペインのガルナッチャ
「La Bruja de Rozas 2018 Comando G(ラ・ブルーハ・デ・ロサス 2018 コマンドG)」
スペインが誇る天才醸造家ダニエル・ゴメス・ヒメネス・ランディ氏が、フェルナンド・ガルシア氏と営むワイナリーが「コマンドG」。
このワインは標高850メートル、花崗岩質土壌の畑で栽培されたガルナッチャから造られる。香り高く、シルキーなテクスチャー。
5,500円/ワイナリー和泉屋 TEL:03-3963-3217
◆
――ガルナッチャって何だっちゃ?
柳「ガルナッチャはフランスでいうところのグルナッシュ。以前、オーストラリアのグルナッシュを紹介したことがあるよね。」
――思い出しました。オーストラリアのグルナッシュは海に面したマクラーレン・ヴェイル産でしたが、今度は山なんですね?
柳「うん。グレドス山脈はマドリッドの西にある山脈で、標高の高い、花崗岩質土壌の土地に植えられた古木のガルナッチャに、今、世界から熱い視線が向けられている。
前にも言ったけど、グルナッシュやガルナッチャといった品種は怠け者で、暖かく肥沃な土地で育てるとヘロッとした駄酒になりやすい。
グレドス山脈のような涼しく痩せた土地で厳しく栽培すれば、芯のしっかりした品の良い赤ワインに仕上がるというわけだ。」
――なるほど、マリー・アントワネットのように甘やかしちゃいけないんですね。
柳「そういうこと。もっともマリー・アントワネットは処刑の直前まで美しく、気高くふるまっていたようだけどね。」
『ベルサイユのばら』劇場版アニメの制作が決定
オスカル、アンドレ、そしてマリー・アントワネットが帰ってくる。
ブルボン王朝に思いを馳せ、フランスワインではなくスペインワインで乾杯もオツだ。
◆
――柳さんのオススメの1本は?
柳「コマンドGの「ラ・ブルーハ・デ・ロサス」。フレッシュで優しく、繊細で品がある。ベルばらならロザリーみたいなワインだ。」
――ひぃ〜、柳さん、筋金入りの“ベルばら”ファン。
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