伝説の料理人が語るROKUの魅力
「純粋に、美しい酒だなと思いました」
日本料理界を牽引し続けてきた店の店主、奥田透氏は『ROKU』のファーストインプレッションをそう語る。
「非常に洗練された味わいは、どんな料理にも合う。そう感じました」
料理を選ばない、というのは食中酒として成立するという意味だという。
「飲む前はジンだけに、それに負けない強い味わいのある料理でないと両立できないかと思いました。でも、実際はそうではありませんでした。
ROKUは、きれいな飲み口の焼酎、その延長線上に存在するようなイメージのお酒だと思います。そのため、幅広く日本料理と合うと確信しました」
白身の刺身、キンキの炭火焼き、海老、きす、イカの天ぷら、ふぐの唐揚げ…。
奥田氏の脳には温度帯も味付けも幅広い日本料理が一気に浮かんだという。
「秋冬の八寸盛り合わせ」もその中のひとつだ。
ワタリガニ、車海老、わかめの甘酢ゼリー、真魚鰹と松茸のフライ、〆さばと金目鯛昆布〆、子持ち昆布、いくらおろし…。
秋冬に旬を迎える食材に加え、紅葉や銀杏の装飾が日本人の感性を刺激する。
「出だしはキリッと冷えたソーダ割、その後は水割り、鍋であればお湯割りという具合に、料理が進むごとに『ROKU』の飲み方を変えても面白いと思います」と奥田氏。
「和食全般に合うという点で、ハイボール以上の可能性を感じる」という言葉には、男も目を輝かせた。
続けて、「ROKUのつくり手に親近感を覚える」と奥田氏は語る。
「丁寧に丁寧に、研ぎ澄ませていく、そんなつくり手が浮かびました。僕たち日本料理の世界も同じですから、そこに親近感を覚えました。
ふぐの刺身を切る、と言葉は簡単ですが、どういうネタを選んで、どう包丁を入れて、どう供するのか。
シンプルだからこそ、ものすごく神経を使う。『ROKU』も同じではないでしょうか」
昆布出汁にくぐらせていただく「ふぐのしゃぶしゃぶ」。
切り方ひとつでその味わいは異なるという、その言葉の意味を噛み締める。
また、奥田氏はこうも言及する。
「食材同士もそうですが、料理と酒も“格”が合わないものを組み合わせると、必ず口の中でどちらかが下がるんです。引き立てるだけの役割になってしまう。
最上の和の食材を損なわない酒、という意味で『ROKU』は非常に可能性があると感じますね」
つくり手と飲み手が本物として見合った時、その可能性は無限に広がるのだ。