なんとなく、DINKS Vol.12

いつまでも新婚のつもりで、2人の生活を楽しんでいたけど…。明日で最終話「なんとなく、DINKS」全話総集編

お金も時間も自由に使える、リッチなDINKS。

独身の時よりも広い家に住み、週末の外食にもお金をかける。

家族と恋人の狭間のような関係は、最高に心地よくて、気づけばどんどん月日が流れて「なんとなくDINKS」状態に。

でも、このままでいいのかな…。子どもは…?将来は…?

これは、それぞれの問題に向き合うDINKSカップルの物語。

「なんとなく、DINKS」一挙に全話おさらい!

第1話:「子どもはまだ?」の質問にうんざり!結婚3年目、32歳妻の憂鬱

「あ~あ~、今月も来ちゃったかぁ」

いつも通りの周期で、生理が来ていた。ガッカリするような、ホッとするような、複雑な感情が湧き上がる。

結婚して3年目。夫婦仲は良好、コロナの直前に結婚式を済ませたし、新卒から働いている今の会社でのキャリアも長くなってきた。いつ妊娠したって支障はない状況だ。

“妊活”というほど力を入れて取り組んではいないものの、「いつか子どもができたらいいね」と祐樹と言い合いながら、日々を過ごしてきた。

― でも正直、今の生活だって気に入ってるんだよね。

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第2話:同窓会で子持ち女にマウンティングされ、悶々とする32歳DINKS妻は…

30歳という年齢のせいなのだろうか。20代の時は気にならなかった“子アリ”の友人からの何気ない一言が、心の中にしこりのように残ってしまっている。

「俺たちももう30歳だし、いわゆる妊活とか、した方がいいのかなぁ」

祐樹も、同じことを考えているようだ。

「妊活、ねぇ」

子どもについては「いつかは」と思うけれど、今すぐ“妊活”を開始するほど、覚悟があるわけではない。

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第3話:「バレてないと思ったのに…」夫と一緒にいてもスマホが気になる妻。こっそり見ていた、意外なモノ

大学時代の同級生で外資金融勤務・菜々の家にお邪魔した日。着実にキャリアアップしていた彼女に少し引け目を感じた。

思わず1人になって開いたのは、ずっと気になっていた、有名セミナーの公式サイト。

「“30代女性のためのキャリア構築セミナー”か…」

私のように今後のキャリアに悩む女性を集めてグループワークを行い、キャリアを見つめ直すセミナーだ。

― このセミナーに参加すれば、“中途半端”な自分から抜け出せるかな…。

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第4話:「もしかして、夫はケチ?」結婚1年で違和感を感じた妻。挙式も婚約指輪もなかったし…

「私は持たない主義なの」と周囲に宣言すれば、新しいモノを持っていなくたって、ちゃんと言い訳が立つ。シーズンごとに服を買い替えるのをやめたら、心理的にも経済的にも、ずいぶん楽になった。

今は転職して収入が上がり、年収700万になったけれど、生活スタイルは変えていない。

「ホント、梓が“こっちの世界”に来てくれて、よかったよ。理解してくれる人って、なかなかいないからさ。それも結婚の決め手だったんだよね」

得意げに語る雄司に、無言で微笑み返す。この暮らしも、彼の思想にも、不満はない。けれど…実は、引っかかっていることがある。それを、私は彼に伝えられていなかった。

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第5話:新婚早々に、離婚を考え始めた29歳女。家探しで発覚した夫のヤバい金銭感覚

先ほどから雄司は、彼いわく「めちゃくちゃ豪華」な参加者の顔ぶれに、目を輝かせている。そして色々な人に話しかけては、「夫婦でFIREを目指してます!」と私のことも紹介している。

― 具体的な計画について話し合ったことなんて、一切ないんだけど…。

その場では彼の顔を立てて話を合わせるものの、たいした説明もなく連れてこられたのでモヤモヤする。

彼がTwitterで知り合った人と盛り上がっている傍ら、会話に取り残された私は、ドリンクを取りに行くフリをして会場の隅で一息つくことにした。

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第6話:「一生一緒なんてムリ!」結婚1年で離婚。同居で露呈した夫の意外な面とは

「引っ越すことで、合計すると毎月9万円が浮くんだよ。この分を、年利5%で運用すると…ほら!5年後には600万円以上になるハズだ。引っ越すことで、俺たちは600万円以上をつくれるんだよ」

ネット上の投資信託シミュレーターのようなものに打ち込んだ数字を、雄司は興奮しながら私に見せてくる。

「未来の600万円を捨ててまで、ここに住む必要なんてないって!」と断言する彼。

でも逆に…私は思ってしまったのだ。

― 都心で得られるチャンスやエネルギーを捨てて、節約できるのが…“たったの”600万円?

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第7話:酔った勢いで付き合う前に一晩過ごしてしまった…。その後、彼と意外な関係に発展し…

― 藤田くんって、いつもどんなつもりで私を誘ってくれてるんだろう?下心は、別にないよね?

次第にフワフワとしてきた頭で、そんなことを考える。彼から誘われるたびに、うっすらと脳裏によぎっていた疑問だったけれど…。いつも、同じ言葉で自分を納得させていた。

― 彼、私が結婚してること知ってるもんね。だから大丈夫。なにもない…。

6歳も年下の部下と“何か”が起きることを期待するほど、私は浅はかな女ではない。

どこまでいっても、そんな小さなプライドがある限り、私が彼とどうにかなることはない。だから、私は何度だって彼と2人で飲みにいけるのだ。この時は、そう考えていた。

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第8話:妻からの誘いを断り続ける、5歳上の夫。彼の書斎から出てきた“信じられないモノ”とは

2人とも子どもを望んでいるわけではないので、絶対にしなければならないわけではない。だから、私からも強く主張することはなく…そんなこんなで、月日が流れてしまったというわけだ。

― でも、やっぱりスキンシップはしたい!子どもがいないからこそ、2人の関係を育むことは大事だし…。

頭の中で結論を出すと、意を決して和樹に向き直る。なるべく重くないトーンで、少し甘えた声で、酔っぱらったフリをして…計算に、計算を重ねつつ。

「ねえ、和樹。今日、久しぶりに、さ…」

普段より1オクターブは高い声で極力ゆっくりと喋り、彼の胸に掌を当てた。それなのに。

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第9話:「もう無理…」スキンシップがないのも、女遊びも許してきたけど…。妻が離婚を決断した決定的瞬間

― 昔付き合ってた女性……ってこと?

10冊以上はある他のスケッチブックも夢中で開いてみたが、見たところすべてこの女性の絵のようだ。よく見ると少しずつ、絵の中で彼女が年を重ねているのがわかる。

それで気がついたのだが、どのページも、右下に日付が記されている。

最初に手に取ったスケッチブックには、2008年8月3日と書かれていた。そして、いちばん奥にあるスケッチブックに手をのばしてその日付を確認した瞬間、私は悲鳴を上げた。

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第10話:東大卒・年収3,000万の夫を持つ女の悩み。妊活中に男がこだわる、意外なポイントとは

「先週さ、真奈美が友達と旅行に行ってる間に、俺は実家に帰ってたんだけど。そこで、姪っ子に久しぶりに会ってさ」
「ああ、柚香ちゃんね」

目白で生まれ育ち、海城から東大経済学部に進んだ崇仁には、4つ年下の弟・誠治さんがいる。

誠治さんは、明治大学時代から長年付き合ってきた女性と5年前に結婚。そして一昨年、第一子の柚香ちゃんが誕生した。

「久しぶりに会ったら大きくなっててさ。よく喋るし、笑うし…」
「2歳って、一番かわいい時期だってよく言うよね」
「そう。それでさ…やっぱり、子どもが欲しいなって思って」

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第11話:昼下がりの虎ノ門で…。妻のLINEは無視する外銀夫が、隠れてしていたコト

― 崇仁、いい波に乗れてるなぁ。私も負けてられない!

ハイスペックな夫を持つメリットは、日々刺激を受けられることだ。

イキイキと仕事について語る彼を見て、私も「もっと仕事で上を目指したい!」という思いが高まった。妊活について、忘れたわけではもちろんなかったけれど…。

― 崇仁も忙しそうだし、いったん棚に上げていいよね。

自分にそう言い聞かせて、問題に蓋をしてしまったのだ。

第11話の続きはこちら

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