「30.5」
これは、東京における女性の平均初婚年齢。
多くの女性が、その年齢までに結婚をと、自分の道を決めていく。
一方で、「30過ぎてまで、何やってるの?」と言われてしまうような、どうしようもない恋愛から抜け出せない人がいるのも事実。
他人には言えない心の葛藤、男女の関係――。
30歳を過ぎた。でも私は、やめられない。
少し痛いけれど、これが東京で生きる女のリアルなのだから。
「30歳を過ぎても」一挙に全話おさらい!
第1話:「生活水準は下げられない」港区にしがみつく32歳女が、副業先のバーで流した涙
私は昼間、法律事務所の事務員をしている。
銀座のバーでのアルバイトは週に3日。19時から23時までだから睡眠時間こそ確保されているものの、32歳でのダブルワークは、正直キツい。
なぜ私が、銀座のバーで働いてまで稼ごうとしているのか?
それは紛れもなく、4年間付き合っていた経営者の元カレとの贅沢な暮らしが、忘れられないからだ。
第1話の続きはこちら
第2話:カレの女遊びを許してしまう…同棲中の家に女を連れ込む男に対して、33歳女が出した答えとは
私は、三船歩美。上司である山本の秘書をしていて、ここは彼の行きつけの銀座8丁目の会員制バーだ。
以前は大手製薬会社の役員秘書をしていたのだが、取引先でもあった医師の山本に1.5倍の報酬を提示され、引き抜かれた。
私は秘書でありながら、山本の会食にも度々同行する。その後はここに来て、仕事の話や雑談をするのがお決まりのパターンだ。
しかも、それも業務だとして、きちんと時間外手当が発生しているので、文句はない。
むしろ、あまり早く帰りたくない私にとっては、好都合だった。
第2話の続きはこちら
第3話:「私、結婚願望ないから」と言い放ち、彼女持ちの男を狙う30歳女。やめられない“ある行為”と心の闇
「ねぇ、幸人。あなたの彼女って、私の存在に気づいてる?」
ふたりでベッドを共にしたあと、私は男に聞いた。この男には付き合いの長い彼女がいる。たしか、付き合って8年経つと言っていた。つまり、私と浮気しているのだ。
かわいく聞いたのに、冷たく「さぁ?」と聞かれたのでカチンとくる。
― 何よ。さっきまで甘ったるい言葉を散々浴びせてきたのに…。
第3話の続きはこちら
第4話:「夫がキモい!」お金目当てで13歳上の男と結婚した女が、結婚9年目に見た恐ろしい光景
私が結婚相手に選んだ夫は、現在47歳になった。結婚当時から体重は10キロも増加。白髪も目立つし、最近はおじさんっぽい臭いもしてきている。
正直言って、もう男として見られない。いや、最初から好みではなかったという方が正しいのかもしれない。
アラサーになっても、まだふらふらと遊んでいる子たちをSNS上で見て、私は正しい決断をしたと確信していた。
でも…本当は、心のどこかで羨ましかった。好きなときに、好きな男性と気ままに遊んでる彼女たちが。
第4話の続きはこちら
第5話:社内チャットで上司に誘われた!職場恋愛の沼にハマった32歳女は、同僚の忠告を無視して…
吉沢隆弘は、営業部の部長で37歳。私より5歳上で、颯太の上司にあたる。物腰が柔らかいのに、仕事が早くて頼れる人だ。
颯太も優秀な方だとは思うが、部長に比べると頭の回転も遅いし知識不足。
もちろん経験値が違うのもあるだろうが、話し方ひとつとっても、男としての魅力に差が出てしまう。
そんな吉沢部長と距離が縮まったのは、マーケと営業部の懇親会だった。
第5話の続きはこちら
第6話:32歳の美人より、24歳のダサい女が選ばれる!?オーバー30歳女の、非情すぎる現実
「藤田さんの横、空けといたから」
「最高。ありがと」
私は麻実に感謝しながら、席に腰を下ろした。
「早織ちゃん、急なのに来てくれてありがとう。赤ワインでいい?それとも最初は泡にしとく?」
藤田に聞かれ、胸がキュンとなる。彼こそが、私をトリコにしている“あの人”こと藤田佳久だ。
第6話の続きはこちら
第7話:「もう彼氏はいらない」失恋で再び傷つくのが怖い…そんな女を変えた、秋夜の“ある出来事”とは
和馬は、彼氏ではない。アプリで見つけた、ただの見た目がタイプな男だ。
― 彼氏じゃないけど、友達でもないよな…。
さっきまで彼が横たわっていたシーツの上で寝るのは嫌じゃないし、この飲みかけのコーラだって、飲めと言われたら飲める。
でも、朝までそばにいてほしいわけじゃないし、朝ごはんを一緒に食べたくもない。
コーラのペットボトルをシンクにボトボトと流しながら思った。私は、いつから彼氏がいらなくなってしまったのだろうと。
第7話の続きはこちら
第8話:なんでも言うことを聞く年下彼氏。「僕は召使いなの?」突然告げられた“報告”に、女は泣き崩れ…
私は低収入の男性としか付き合いたくない。そもそもそういう男しか好きになれず、社会人になってからの彼氏はみんな、年収が650万円以下だ。
その方が男は調子に乗らないし、お金があるのにケチなところを見つけてしまってイラつくこともない。私を女王様のように扱ってくれることもクセになっていた。
私は本業の歯科医師の他に不動産投資のリターンがあり、お金にはそれなりに余裕がある。
自分で稼ぐのは気持ちがいい。好きなように使えるし、相手の顔色をうかがう必要がないから。
第8話の続きはこちら
第9話:「私は恋愛ゲームが好き」と語る女が仕掛けた罠…泥酔して目覚めた翌朝、男が目にしたものは?
今日のデート相手は、数年前に食事会で連絡先を交換したトオル。なんとなく思い出して久しぶりに連絡してみたのだが、予想外の食いつきですぐに会うことが決まった。
「いや、全然…っていうか彼女、僕が何してるか知らないし、興味ないと思う」
「そうなの?どうして?」
私はあえて視線を合わせずに聞いたが、本当は興味津々でたまらない。
― 彼女とうまくいってないか、マンネリしてるか…どちらかね。
第9話の続きはこちら
第10話:「夜の銀座はいいことが起こる気がする」イケメンしか好きになれない女が夜な夜な通う場所とは…
画面には、数年前から推しているアイドルが映っている。テーブルの上には、冷えた白ワインとお気に入りの店のチーズテリーヌ。誰にも邪魔されない、私だけの幸せな時間だ。
推しを堪能するために、ワンルームの部屋には少々不釣り合いな65型のテレビまで購入したのだが、このテレビのせいで、私はますます出不精になってしまった。
友達や後輩から食事に誘われても、最近は何かと理由をつけて断っている。
― 彼みたいな人がいたら、どんなに性格が悪くても結婚したいんだけどな~。
第10話の続きはこちら