「この子のためなら、何だってしてみせる…」
公園に集う港区の母たちは、そんな呪文を心の中で唱え続ける。
そして、子どもに最高の環境を求めた結果、気づき始めるのだ。
──港区は、小学校受験では遅すぎる…、と。
これは、知られざる幼稚園受験の世界。母…いや受験に取り憑かれた“魔女”たちが織りなす、恐ろしい愛の物語である。
◆これまでのあらすじ
娘の華(2)の幼稚園受験のため、お受験塾「ほうが会」に入会した葉月。模擬面接の結果をきっかけに、夫の大樹との間に亀裂が入ってしまう。
▶前回:幼稚園受験の模擬面接。「ママのごはんは何が好き?」と聞かれて、娘が答えた予想外の回答
Vol.9 新たな決意
「華ちゃん、ママ、いってきます」
「いってらっしゃい、夕飯いらないようだったら20時までには連絡ちょうだいね」
玄関で大樹を見送った後は、いつも通り、リビングのソファで華のおむつをはき替えさせる。
模試の日──大樹に「魔女みたいだ」と指摘された先月のあの日以来、華の......
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