こぼれるほどの“うに”に感動!ヒコロヒーも心奪われた、港区のラグジュアリー鮨

どんな鮨店を提案するか……それで男の実力が測られる


今夜、彼女を誘うのは硬派な鮨店ではないなと思ってた。ぴりっとした緊張感が漂う感じは決して嫌いじゃないけれど、食事が主体になりやすい。

ふたりの距離を縮めるには、楽しい雰囲気が必要だ。その点、この店は頼りになる。

まず、大将がユニーク。人気店で腕を磨いた実力派にして、なんと髪型はパンチパーマ。彼女の目は釘付けになり、会話が弾んだ。掴みはオーケー。

肝心の料理は実直にして、いい塩梅にひねりが利いている。

例えば、握りの一貫目として出てくるスペシャリテのうにの巻物。経験値が高そうな彼女だったが「こんなのはじめて!」と無邪気にはしゃいでいた。

店内は居心地のいい贅沢な空間。場所は港区でも指折りの一等地。此処は鮨デートの切り札になる――。

まだ食事の途中だったが、確信めいた予感がした。

ラグジュアリーな鮨を経験したふたりは、次なるステージに進める気がする


思えば、高級店の中でも鮨はフレンチやイタリアンに比べてハードルが高い。人の目に晒されるカウンターでは逃げも隠れもできないから。

まだ若くて経験が浅かった頃は大将が怖かったらどうしようとか、静かなカウンター席で何を話せばいいんだろうかと余計な心配をしたものだ。

でも、経験を積むと分かる。いろいろな鮨店を巡るようになってどんな風に楽しめばいいか、どうやって大将を巻き込めばいいかが。

その空気感が彼女を心地よくし、今夜ふたりは、新しいステージに進めたんだと思っている。

上手く説明できないけど、僕らの間には目に見えない絆のようなものも生まれた気がする。彼女も似たような心境なのかも。

なぜなら、その横顔はこれまでのデートで見せてくれたよりもずっと満足げで、素敵だったから。

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