ほの暗いカウンターが、大人の鮨デートに効く!ワンランク上の東京の名店4選

2.大人の中目黒デートに! 鮨×アートを楽しむ名店
『宇田津 鮨』


酒場から漏れ出す賑わいを横目に、高架沿いを歩くこと約5分。

住宅街へと続く緑道をさらに進んだその裏手では、審美眼を持つ大人たちが静かに鮨を愛でている。

正面には、現代のイギリスを代表するアーティスト、ケリス・ウィン・エヴァンスによる作品が並ぶ。土器の独創的な表現が印象的だ


鮨店、というよりもギャラリーといった趣が色濃い『宇田津 鮨』

さぞやアートに造詣の深い大将なのだろうと想像するが、本人は「実は全然、なんです」と豪快に笑う。では、なぜこの空間が?

「シンプルに鮨は芸術だという信念と、それを体現できる空間づくりに強い思いがあって、アートギャラリーの方と意見を交わしながら、作品選定を含めとことんこだわりました」

不定期で変わるアートは店の雰囲気も変える!


写真家・細江英公が撮影した三島由紀夫。

鍛え上げられた体と鋭い眼差しが、観るものの心に強く訴えかける。

カウンター席の後ろに並ぶのは、同じく細江英公が1971年に発表した写真集『抱擁』に収められている作品。肉体の斬新な表現に惹きつけられる


かくして、アート以外、一切の装飾が排された唯一無二の暗がり鮨が誕生した。

モルテックスのグレーの壁にギャラリー仕様のピンスポット、そこに流れるジャズと供される見目麗しい器。細部に至る妥協なきこだわりが、主役の鮨の芸術性をさらに高めている。

そして、伝統的な江戸前鮨に新たな息吹を吹き込んだ一品料理も、五感を存分に刺激。

おまかせの約2時間、ふたりを終始包むのは、えもいわれぬ幸福感。そのまま2軒目へ、自然と足が向くのは間違いない。

江戸前の仕事を軸にした逸品は、見た目を裏切る実直な味わいこそ真骨頂


北海道産うにとシャリの間に鎮座するのは、青のりの素揚げ。

天ぷらからインスピレーションを受けた一貫。


ガラス工芸作家、能登朝奈が手掛けた清涼感ある器を開けると、煙とともに「大トロの燻製」があらわれる。

濃厚な脂と薫香がたまらない。


店の名刺がわりのひと皿として知られる「魚のハーブ巻き」。

シャキシャキした食感の無農薬ハーブと、ねっとりした魚の食感のコントラストが光る。

全て「おまかせ」(22,000円)の一例(他に33,000円の「おまかせ」あり)。


目印は、小窓からのぞくテキーラボトル!


周囲に飲食店は一切なく、巨大なグレーのボックスのような外観も闇夜に溶け込み分かりづらい。

蔵を思わせる木製の扉が、店内への入り口だ。


実家の隣が鮨店で幼い頃から出入りし、鮨職人になる夢を持つ。

『銀座 鮨一』を筆頭に、江戸前鮨の名店で修業後、2019年に独立。

◆2軒目に誘うなら、すぐそばのBARへ◆

『宇田津 鮨』から徒歩15秒


外に出ることなく移動できるクラフトスピリッツバー
『Faramarz Lounge & Gallery』


隣にアートギャラリーを兼ねたバーがあり、自然な流れで移動できる。

銅板が鈍い光を放つカウンター席では、食後酒を兼ねての特別なカクテルを。

艶っぽい雰囲気はデートにもぴったり。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo