2022.08.20
鮨デートを成功させるには、握りのクオリティと同じくらい、ムードが大切。
だから、東京を知り尽くした大人は、カウンターの“照明”に着目する。
2人の距離感をぐっと縮めるため、適度な仄暗さのある艶やかなお店をチョイスしたい!
そこで今回は、ムード満点のカウンター鮨デートができる名店を厳選してご紹介しよう!
◆
※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
1.暗いからこそ、“温度”と“香り”を感じる神楽坂の鮨
『すし ふくづか』
古びた建物の2階、秘密のアジトのような雰囲気を放つ黒い扉の向こうでは、夜毎、鮨の“夜会”が開かれる。
感覚を研ぎ澄まし、温度と香りで味わう新しき鮨の世界へ。
目が慣れるまで、しばし時間を要するほどの暗闇。初めて訪れたふたりなら、戸惑いは隠せない。
だが、これには理由がある。
それは、ろうそくの光の中、五感を研ぎ澄ませて楽しむ茶会、「夜咄」が店のコンセプトだからだ。
『すし ふくづか』の鮨は、温度と香りに徹底的にこだわる。それゆえ、あえて仄暗い空間を作ることで、「夜咄」同様、五感を呼び覚ます空間を整えているのだ。
「昔から伝わる、煮る、蒸す、酢締め、漬ける、焼くといった工程を突き詰めた結果、温度と香りこそ、うちの個性だと行き着いた」と、大将の福塚寛希さん。
シャリ、わさび、ガリ、さらには握り方まで3種以上を使い分け、ネタの温度も徹底的にコントロールする。
古典的な仕事に自身の解釈を加え、唯一無二の鮨を追求し続けるその姿は、求道者そのもの。
至高の鮨と稀有な“暗がり鮨”体験は、ふたりの忘れられない思い出として刻まれるはずだ。
徹底的に鮨と向き合う真摯な姿勢が凝縮された、完成度の高い握りと一品
この日、「やま幸」から届いたのは、境港で水揚げされた一番の本まぐろ。
夏のまぐろ特有の酸味と赤酢のシャリが一体となり、さわやかな旨みが口の中であふれ出す。
尾下と呼ばれる筋肉質な部分から丁寧に剥がし、山芋とすじ青のりを合わせた「山かけ」。
滑らかできめ細かい味わいが余韻を残す。
江戸前鮨のネタの代表、シャコを醤油漬けにした1品。
燻製し、醤油漬けにしたうずらのたまごが絡み合い、濃厚なコクをもたらしている。
全て「おまかせ」(33,000円)の一例。
神楽坂の風情ある石畳を小さく灯す行燈が目印。
神楽坂らしい細い路地の一角に佇む、雑居ビルの2階。
掲げられた暖簾と足元の行燈は、ビル前まで来ないと見つけられないので注意したい。
山形県温海町出身。20年以上、都内の鮨店で修業し、36歳で独立。
これまでの経験をゼロから見直し、一体感ある江戸前鮨を目指す。
漁港近くの街で育ち、趣味は「産地めぐり」。
男女それぞれに手渡される異なるメニュー表が楽しい
『Bar LIDEMO』
季節のフレッシュフルーツを使ったカクテルのほかに、ポートワインやラム酒の品ぞろえも豊富。
飲み口やボトルのデザインを基準に、男性用と女性用、ふたつのメニュー表が用意されている。
この記事で紹介したお店
すし ふくづか
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