コスパ良しのカリフォルニアワインは、今が狙い目！名門ワイナリーが造る上質な赤とは[東京カレンダー

アメリカ西海岸にあるカリフォルニアは、ワインの産地として有名。

海沿いの冷涼な気候で育まれるブドウは、逸品ぞろいなのだ！

今回は、カリフォルニアでブルゴーニュの名門ワイナリーが造った、上質な赤ワインを紹介する。

左：東京カレンダー編集部嵩倉伶奈／右：ワインジャーナリスト柳忠之氏

専門誌からライフスタイル誌まで、幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味あるコメントに定評があるワインジャーナリスト・柳忠之氏。

柳氏が東京カレンダーでワイン連載の担当となって5年目。ワインの勉強に日々奔走する編集・嵩倉の質問に、いつも親身になって答えてくれる。

じつは涼しい米西海岸！ピノ・ノワールには好環境

柳「ねぇねぇ、クラリン（編集担当の嵩倉）。夏休みはどこか旅行に出かけるの？」

――今年こそ海外旅行したいですね〜。アメリカ西海岸のビーチでスイスイ海水浴とか。

柳「西海岸の旅は楽しいだろうけど、スイスイ海水浴はどうかな？」

――えっ、西海岸といえば、ビキニのお姉さんですよね？

柳「クラリンはクリント・イーストウッド主演の『アルカトラズからの脱出』という映画は観たことある？」

――1979年公開の名作！サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島の監獄から、イーストウッド扮する主人公の囚人たちが脱出を謀るというお話。今、Google先生に教えてもらいました。

U.S.A.のピノ・ノワール
「Racines Pinot Noir STA. RITA HILLS CUVÉE（ラシーヌピノ・ノワールサンタ・リタ・ヒルズ）」

ドメーヌ・ド・モンティーユは17世紀後半からワイン造りを始めた名家。

現在の当主エティエンヌ・ド・モンティーユは、2016年にカリフォルニア、オレゴンを旅した際、サンタ・リタ・ヒルズのポテンシャルに開眼。

本家のプルミエ・クリュ・タイユ・ピエと比べ半額以下で手に入れられるのも嬉しい。

11,000円／WINE TO STYLE TEL：03-5413-8831

◆

柳「アルカトラズ刑務所が脱出不可能と言われていた理由が、海水温の低さ。運良く独房から抜け出せても、海岸線まで約2キロの距離を泳いで渡る間に体が冷えきり、助からないと考えられていた。

というのもアメリカ西海岸には寒流が流れていて、真夏でも海水温は低め。ビキニ姿で日光浴はアリだけど、波打ち際でバシャバシャ海と戯れるには、水が冷た過ぎるんだよね。」

――では計画変更、ぐすん。

柳「ところが、海沿いの涼しい気候が、カリフォルニアワインに大きな可能性をもたらしてもいる。」

――おや、それは？

柳「ピノ・ノワールだ。この品種は比較的冷涼な気候を好むから、カリフォルニアでも海岸に近い地域ほど優れたワインができる。

今年ようやくAVA（アメリカ政府承認ブドウ栽培地域）に認められた「ウエスト・ソノマ・コースト」は要注目のエリアだし、サンタ・バーバラ郡の「サンタ・リタ・ヒルズ」からも優れたワインがたくさん生まれているね。」

なんと北海道でもピノ・ノワールが！

じつは北海道でもワイン造りに挑戦するド・モンティーユ。

現在は余市の契約農家のブドウからワインを造るが、来年はいよいよ函館の自社畑が収穫可能に。

8,580円／ド・モンティーユ＆北海道 www.demontille-hokkaido.com

◆

――なるほど！それで、柳さんオススメのピノ・ノワールは？

柳「例えばこれ、「ラシーヌ」。フランス・ブルゴーニュの名門ドメーヌ・ド・モンティーユが、5年前からサンタ・リタ・ヒルズで始めたプロジェクト。

その知見を生かして、じつにブルゴーニュっぽい、エレガントかつ艶かしいピノ・ノワールの赤ワインを造っている。

去年、ブルゴーニュは遅霜で収穫減に見舞われ、著名な銘柄は世界中で奪い合い。大幅な価格高騰は免れないから、こうしたカリフォルニアの上質ピノ・ノワールこそ、今が狙い目。」

――スイスイ海水浴は諦めて、嵩倉はこの夏、アメリカ西海岸最高のピノ・ノワールを探す旅に出かけて参ります！

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