妻と女の境界線 Vol.1

妻と女の境界線:結婚3年目の32歳女が、夫に秘密で通う“ある場所”とは

結婚したら、“夫以外の人”に一生ときめいちゃいけないの?

優しい夫と、何不自由ない暮らしを手に入れて、“良き妻”でいようと心がけてきた。

それなのに・・・。

私は一体いつから、“妻であること“に息苦しさを感じるようになったんだろう。


幸福な妻


「それじゃ、麻由。俺はもう行くね。今日も残業で遅くなるから、先に寝てていいよ」

「わかった。気をつけて、いってらっしゃい」

月曜の朝。

大手町の総合商社・財務部で働く夫、浩平の朝は早い。

私は、29歳の時に5歳上の彼と結婚した。それから3年が経つが、彼は一貫して忙しそうにしている。

今日も朝から会議があるらしく、ピカピカに磨き上げられたオールデンの革靴を履いて、7時前に家を出ていった。

「さて…浩平も出かけたし、お掃除でもしようかな」

私たちは、浩平の父が所有している三鷹にあるマンションに住んでいる。住環境としては申し分ないが、浩平の会社まではやや遠い。

新宿にある大手損害保険会社で働く私は、彼より遅く家を出ても間に合う。だから、彼が出かけた後に、一通りの家事を済ませるのが日課だ。

浩平に出した朝食の食器を下げてキッチンを片付け、洗濯機を回して簡単に部屋を掃除していく。

― ああ、幸せ。

私は、出社前に家を整えるこの時間が、たまらなく好きだ。

自分が「社会人としてしっかりと働きながら、夫をキチンと支えている妻」なのだと思えてくる。そうすると、胸の内がなんともいえない充実感で満たされるのだ。

「そろそろ行かなくちゃ!出社前に“彼”の顔も見たいし…」

時計を見ると、いつのまにか8時を回っていた。

週初めの今日は、1週間の労働生活に向けて心も体もチャージしたい。

だから、出社前にどうしても“彼”に会いたいのだ。

私は、シャネルのローズ色のリップを唇に塗り、急いで家を出た。

この記事へのコメント

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No Name
不倫ネタは勘弁だな〜。
でも三鷹在住とかスタバとか、東カレにしては何か設定が珍しいね。
2022/06/04 05:2682返信5件
No Name
浩平さん、残業が会食に変わっている。こっちも怪しいのか?麻由が圭吾にときめく程度なら推し活感覚でいいのかもしれないけど。
2022/06/04 05:3045
No Name
また不倫の話かな
それもダブル
2022/06/04 05:2130返信5件
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