Aging of Meats やっぱり 熟成肉! Vol.2

熟成肉といえば!憧憬すら覚える味と香り

但馬牛を一頭丸ごと骨付きのままで熟成させる方法の枝肉熟成で約2ヵ月かけて仕上げる。写真は切り出しただけの状態。手前がラムシン、奥がクリ

凝縮した肉の旨み
熟成肉を思い切り楽しむ

「熟成肉の美味しさは魚の干物のようなもの。余分な水分が抜け、旨みが凝縮されるんです」。こう語るのは、オーナーの出浦陽一郎氏。確かに、熟成が進むと共にタンパク質は分解されて旨み成分のアミノ酸へと変わり、肉自体の持つ酵素の働きにより肉質は柔らかくなる。

この熟成肉を一躍表舞台に引き出した、あの『中勢以』の2号店がこの1月、小石川にオープンした。“食べられる中勢以”をコンセプトに、レストランも併設。店頭に並ぶ希少部位の中から、好みの肉を選び、食べたい分だけを注文。それをベテランシェフがその場で極上のグリルに施してくれる。

出浦氏によれば「熟成して味わいが増すのは赤身肉」だそうで、ここではサシの多いA5ランクではなくあえてA3からA4ランクの但馬牛を入れ、熟成させている。溶岩炭でじっくりと休ませながら焼き上げたそれは、程良い噛み応えと柔らかさを併せ持つ。肉そのものの滋味を味わうには塩のみで十分だ。ナチュラルな空間で気軽に楽しみたい。

右.シャルキュトリーの盛り合わせ¥2,000。手前から、豚肉のリエット、スモークドビーフ 左.クリのグリル焼。写真は430g。店内では店頭の小売価格の1.3倍の値段で提供。ご覧のクリの場合、小売価格が100g¥2,460で、店内は¥13,750。2 ~ 3人で楽しめる。

右.ビーフシチュー¥3,800。脂と肉の割合がバランス良くなるように、余分な脂を取り除き、丁寧に掃除をしたバラ肉をロール状に巻き上げ、約8時間じっくり煮込んでいる。厚さ5 ~ 6㎝、1人前200gとボリュームたっぷりなのもうれしい。 左.南の島豚のグリル¥2,800。約2 ヵ月間熟成させた南の島豚のロース肉の塊は、うっすらと青いカビがついている。この青カビが旨みを引き出す立役者。このカビをきれいにそぎ落とし、余分な脂を落としてから焼き上げた豚肉はナッツやチーズを思わせるほどの熟成感が持ち味。

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