肉を使い切る。極上のフレンチに舌鼓
前店のオープンは8年前。日本のビストロ文化はまだ浅く、「フランス人が食べてフランスと同じ味がする」有馬氏の料理はグルマン以外には新しかった。「僕の思いは今も同じ。フランス料理の日本にまだ見えていない部分を伝えたいだけ」。そしてこの度、約1年の充電期間を経て、新生イブローニュが誕生。
「鴨1羽や豚の足1本など、肉の塊料理もはじめました」。処理の途中に出た脂や皮も捨てない。骨からスープをとり、頭部でソースを作る。
フランス修業時代から続け、休業中の滞仏でさらに掴んだ「肉を余すとこなく使う」技術。おそろしく手間がかかるが、それこそが有馬氏の「完成された味」の裏打ちだ。舞台は代田の住宅街へ。駅から徒歩15分。この日を待ちわびたファンはどこにだって足を運ぶ。