今はもう、なんでもないから Vol.3

シンガポールに単身赴任中の夫には、内緒で…。娘の幼稚園受験に夢中な女が、隠していたコト

あなたは恋人に、こう言ったことがあるだろうか?

「元カレとはもう、なんでもないから」

大人に”過去”はつきものだ。経験した恋愛の数だけ、過去の恋人が存在する。

だから多くの人は、1つの恋を終わらせるごとに、その相手との関係を断ち切っているだろう。

しかし “東京のアッパー層”というごく狭い世界では、恋が終わった相手とも、形を変えて関係が続いていく。

「今はもう、なんでもないから」という言葉とともに…。

◆これまでのあらすじ

婚約者の健作と会社の後輩である雛乃が、元恋人同士であることを知ってしまった千秋。しかし2人は「今はなんでもない」と言い張り、友達の関係を続けているのだった。

モヤモヤする千秋は、思わずLINEで“ある人物”に助けを求め…?

▶前回:職場の後輩女子が、なぜか彼氏と知り合いだった。疑心暗鬼になった女は2人を会議室に集め…


「なるほどね~。可愛がってる職場の後輩が、婚約者の元カノでした、と」

「うん…」

「しかも2人はいまだに仲が良くて、友達付き合いを続けてる。中高時代に付き合ってただけで、今はもうなんでもない、と」

ストッケのハイチェアが置かれたダイニング。山積みにされた小学校お受験用のプリントの横で、シロッコのハーブティーが湯気を立てている。

私が置かれている奇妙な状況について、声に出して整理してくれているのは、親友の和香だ。

健作と雛乃ちゃんの仲睦まじげな様子に耐えられなくなった私は、彼女に「今夜行ってもいい?」と相談LINEを送ったのだった。

前職の出版社で同期だった和香。私が転職、彼女が結婚・出産でお互いに職場を離れた今も、親友としての付き合いが続いている。

こうして子どもが寝た後に付き合ってくれるほど、優しくて面倒見がいい和香ならきっと、気持ちが明るくなるような言葉で励ましてくれるはず。

どこかでそう期待していたからこそ、こうやって彼女に悩みを打ち明けたのかもしれない。

でも…。和香の口から飛び出したのは、予想していたのとは全く違った言葉だった。

「千秋、それはさ…。受け入れられないなら、すっぱり別れるしかないよ」

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