今はもう、なんでもないから Vol.2

職場の後輩女子が、なぜか彼氏と知り合いだった。疑心暗鬼になった女は2人を会議室に集め…

あなたは恋人に、こう言ったことがあるだろうか?

「元カレとはもう、なんでもないから」

大人に”過去”はつきものだ。経験した恋愛の数だけ、過去の恋人が存在する。

だから多くの人は、1つの恋を終わらせるごとに、その相手との関係を断ち切っているだろう。

しかし “東京のアッパー層”というごく狭い世界では、恋が終わった相手とも、形を変えて関係が続いていく。

「今はもう、なんでもないから」という言葉とともに…。

◆これまでのあらすじ

結婚を間近に控えた千秋。社内恋愛中の彼氏・健作と過ごす日々に幸せを感じていた。

そんなある日、中途で3歳下の雛乃が入社してくる。すると初対面であるはずの健作と雛乃が、なぜかよそよそしくて…?

▶前回:社内恋愛を告白した女。直後、後輩女子が見せた反応に…?


「ここのコーヒー、本当に美味しい!私、全然知らなかったです」

「だろ?豆もいいけど、ラテアートもすごいんだよ。千秋さんと俺、コーヒー買いに行くときは絶対ここまで行くんだ」

窓を開け放った大きな会議室。私の目の前では、婚約者の健作と後輩の雛乃ちゃんが『THE THEATRE COFFEE』のコーヒーの美味しさについて、和気あいあいと語り合っている。

「あれー?まるでコーヒーにすごく詳しい人みたい。アイスラテにガムシロップ2つも入れる、お子ちゃまのくせに!」

「うるさいなぁ。千秋さんと付き合い始めてから、俺もだんだんと大人になってるってことだよ。ね、千秋さん?」

雛乃ちゃんの冷やかしに、健作が口を尖らせて答えながら、私に向かって笑いかけた。

「あはは、どうかな?まあ健作は私より2歳も下だし、まだ子どもと言えば子どもかな〜?」

急に話題を振られた私は、どうにか2人と同じノリで会話をこなす。

でも頭の中は、まったく冷静じゃなかった。

ほとんどパニック状態のままテイクアウトしたホットサンドにかぶりつき、自問自答を繰り返す。

― なんで?どうしてこんなことになっちゃったの…!?

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