籠のなかの妻 Vol.1

籠のなかの妻:年収900万の32歳妻が、退職に追い込まれた驚きの理由

夫は、こんな人だった―?

周りに相談しても、誰も信じてくれない。子どもと一緒に夫の機嫌を伺う日々…。

最近、こんなモラハラ夫に悩む妻が増えている。

有能で高収入な男性ほど、他人を支配しようとする傾向が強い。

優衣(32)も、経営者の夫が突然マンションを買った日から、徐々に自由を失っていく。

広告代理店ウーマンから、高級マンションという“籠”で飼い殺される専業主婦へ。

彼女が夫から逃げ出せる日はくるのだろうか―?


妻の不安


「優衣が退職かぁ…」

今日は優衣の最終出社日。

仲のいい同期は、パスタをくるくるとフォークで絡めながら、小さくため息をついた。

「羨ましいな。専業主婦なんて、このご時世なりたくてもなれないもの」

優衣はその言葉に反論する。

「好きで辞めるんじゃないわ。旦那が勝手にマンションを買って引っ越しを決めたから…」

中堅の広告代理店に入社して10年。この春、念願だったマーケティング部に異動したばかり。

なのに優衣が退職するのは、夫・雄二が勝手にマンションを購入し、もうすぐ3歳になる息子の保育園事情などお構いなしに、引っ越しを決めてしまったためだ。

夫は育児には一切手を貸さない。

これまでなんの不安もなく仕事に打ち込めていたのは、保育園に通わせていたから。でも引っ越す先である渋谷区では、保育園に入れなかった。

― 保育園に空きがあれば、退職しなくても済んだのに…。

夫は経営者で、観葉植物を企業や家庭にリースする仕事をしている。オフィスは、購入したマンションから歩いて5分ほどの場所だ。

今住んでいる杉並から、会社へのアクセスが悪いとしきりに訴えられてはいた。だが、何の相談もなく引っ越しを決められてしまうとは想像もしていなかった。

これまでになく違和感がある夫の行動。優衣はこれから始まる新生活に、不安を抱えていた。

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