盛りラブ Vol.3

モテるのに彼女いない歴5年。29歳ハイスペ男が女にいつも逃げられる理由とは

「おう、瑛太。久しぶり」

受話器から響く野太い声を聞くと暑さが増した気がしたので、瑛太は冷房の設定温度を下げる。

蒼一郎は、大学時代に応援団長を務めるほどの熱血タイプだ。弁護士となった今は、持ち前の情熱を活かして多くの案件をこなしている。3つ上だが、父親のように頼りになる存在だ。

「お前さ、いつまでリゾート地にこもってるんだよ。そんな楽しそうな場所で仕事に集中できるのか?」

「できてるよ。東京よりずっといい」

「…ならいいけど。でも、女っ気なさすぎて兄ちゃんは心配だ。たまには東京に帰ってこい」

「うるさいなあ」と苦笑いをする瑛太に、蒼一郎は続けた。

「あのな、この前仕事で会った女の人がいてさ。その人未婚なんだけど、誰か紹介してくれないかって」

「…ふうん」

「美人だし、しっかりしてるし、お前にピッタリなんだよ。写真送るから、ちゃんと考えてな」

瑛太はとりあえず「はーい」と答えた。

蒼一郎の声の後ろでは「パパー」と元気に叫ぶ幼い女の子の声がする。蒼一郎にはもう2人の娘がいるのだ。

…たった3歳違うだけなのに、立派に所帯を持つ兄に対して瑛太は焦るような気持ちになる。

電話を切ると写真はすぐに送られてきた。しかし、その写真を見た瞬間、瑛太はこう思ってしまった。

― 芹奈ちゃんの方がずっと綺麗だし、タイプだな。


芹奈から最初にメッセージを受け取ったとき、瑛太はかなりビックリした。怪しい誘いであるような気がして、返信をするか無視するか数日間迷った。

だが、芹奈のInstagramの投稿を見るとそういった怪しい人物ではなさそうだったし、なにしろ美人だったので気になって返信をしたのだ。
......


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