あのコはやめて Vol.3

“親友の婚約者”と“自分の恋人”の確執。男が戦慄した女のエグい世界とは

男子、女子。


その日の咲良は上機嫌だったので話が弾み、彼女の意外な過去も聞くことができた。

「代官山に来るのって、大学のとき以来」

咲良は、窓から見える街を眺めながらつぶやく。

「まさか、彼氏と…?」

「違うよ。女友達とよくカフェ巡りをしていたの」

咲良は東海地方出身で、私立の中高一貫の女子校に通っていたという。今でもそのときの友人とは仲良く、上京組で定期的に会っているそうだ。

「なんだ。僕も中学から男子校だったよ」

「ふふ。なんとなくわかる」

誠はその言葉を聞いて、少し不安がよぎった。

男社会で生きてきた特有の雰囲気がにじみ出ているのだろうか。運動部ではなかったが体育会系的な男ノリが、時折出てしまうことがあるのだ…。

― でも咲良さんが、女子校出身とは正直意外だったな。

誠は私立の女子校というと「ごきげんよう」と挨拶しあうような、上品で高貴な印象を持っていた。例えば、真紀のようなイメージだ。

活発で庶民的な咲良からは、予想がつかなかった。そんな誠の女子校イメージを聞いて、咲良は手を叩いて笑う。

「むしろ、男性の目を気にしない分、自立した強いコが多いかもね」

確かに咲良はサバサバしていて、気が強そうな印象もある。

「お嬢様学校っていっても地方だし、勉強すれば一般家庭でも入れる普通の学校だったよ。友達もいっぱいできたもの」

楽しそうに学生時代の思い出を話す咲良は、きっとクラスでも人気者だったのだろう。

思い返せば、圭一もクラスで…いや校内でも中心人物だった。彼は生徒会長も務めたほどだ。

自分が咲良に惹かれるのは、そんな圭一と似たところがあるからではないか。誠は屈託のない彼女のほほえみを見て、しみじみ感じた。


「え。まさか、誠、俺のことを…」

数日後。圭一の行きつけである近所のビストロで、誠は彼にデートの報告していた。

咲良と彼の間に共通点があると話すと、彼はニヤニヤと笑みを浮かべ、なぜか上機嫌になる。

「違うよ。ちょっと似ているなって思っただけ。そういう意味じゃないから......


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