
料理の味だけじゃないスペインの食文化を伝える老舗
ビクトル・ガルシア【 レストランオーナー 】
「地のものをそのまま鍋に入れ、味付けはシンプルに。抜群な素朴さが、スペインの家庭の味」とビクトル氏。案内してくれた『エル・カステリャーノ』は、サッカーのスペイン代表チームが来日すると試合前に訪れる店だ。理由は、スペイン人の誰もが知る味が食べられるから。
オープンは36年前、日本に初めてスペインの家庭料理を伝えたのが、オーナーであり、ビクトル氏の父親ビセンテ氏。「僕も日本にスペインの食文化を伝えたい」と父と同じ29歳でアロセリア(米料理専門店)を開業。「こんなに嬉しいことはないよ」と微笑むビセンテ氏は父の顔を覗かせる。
ちなみにこの店、遅刻には厳しい。「食事はみんなで揃って、がスペイン。レストランに行く前にバルで食前酒をやりながらメンバーを待つ。だから、はしご文化があるんです」とビクトル氏。揃ったらワインで乾杯。スペインの食文化をもきっちり教えてくれる、ビセンテ氏なのだ。