エル カステリャーノ

料理の味だけじゃないスペインの食文化を伝える老舗

左上.ラマンチャのうさぎのシチュー¥2,500。スペインではうさぎを当たり前に食べるのは、収穫前の穀物を狙ううさぎを捕獲するため。にんにくやクミンで2 ~ 3時間煮込む。

左下.年に2、3回スペインに帰国するビセンテ氏。「湿気のある日本では、舌に感じる塩味が自然に変わる。スペイン味に戻しに行くんだよ」

右.ガディスのひよこ豆と魚貝の鍋¥2,500は南部の料理。豆料理は、スペインの定番。つぶした海老の頭やアサリから出たたっぷりの旨味が豆にしみ、辛いパプリカでピリッとアクセント。

ビクトル・ガルシア【 レストランオーナー 】

「地のものをそのまま鍋に入れ、味付けはシンプルに。抜群な素朴さが、スペインの家庭の味」とビクトル氏。案内してくれた『エル・カステリャーノ』は、サッカーのスペイン代表チームが来日すると試合前に訪れる店だ。理由は、スペイン人の誰もが知る味が食べられるから。

オープンは36年前、日本に初めてスペインの家庭料理を伝えたのが、オーナーであり、ビクトル氏の父親ビセンテ氏。「僕も日本にスペインの食文化を伝えたい」と父と同じ29歳でアロセリア(米料理専門店)を開業。「こんなに嬉しいことはないよ」と微笑むビセンテ氏は父の顔を覗かせる。

ちなみにこの店、遅刻には厳しい。「食事はみんなで揃って、がスペイン。レストランに行く前にバルで食前酒をやりながらメンバーを待つ。だから、はしご文化があるんです」とビクトル氏。揃ったらワインで乾杯。スペインの食文化をもきっちり教えてくれる、ビセンテ氏なのだ。

ビクトル・ガルシア

代官山『アロセリア サル イ アモール』オーナー。共同経営者の宮﨑健太シェフとともに、日本に知られていない多種多様なスペインの米料理を本場の味で提供する。1982年生まれ、スペイン人の父と日本人の母を持つ。

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