2021.08.24
CHANGE(チェンジ) ~いくつになっても初体験っていいもんだ~ Vol.3繊細かつ上品さが際立つ「ROKU」。その佇まいに魅了される。
「世界的なクラフトジンブームの今、いろいろな国や産地、つくり手によるジンが生まれています。
通常、ジンと聞いてイメージするのは、ジュニパーベリーの独特な香りと味ですよね。ところが、ROKUは全く異なるんです。
桜花・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子といった日本の四季を感じさせる和の素材、6種類を使った国産のクラフトジンで、私たち日本人の心がほぐれるような優しい香りが愉しめる1本です。
海外のバーシーンでも知名度は高く、“和モダン”を実現するのには欠かせないジンとして存在感が高まっています」と、小田氏が教えてくれた。
「六角形のボトルや、レリーフのある洗練されたデザインも上品で素敵だね」
興味深そうにボトルを見つめる2人。
「シンプルなのに、カッコいい。世界に通用するデザインですね」
ボトルを手に取った彼の視線は、そのビジュアルに向けられていた。
ROKUがデザインに込めたのは、“日本人が大切にしてきたもの”。
ラベルには越前和紙が使用され、ボトルの顔とも言えるロゴモチーフ『六』の文字は、海外でも人気の高い書道家の荻野丹雪氏が手がけている。ボトル全体に、日本画のような繊細な感性を感じることができる仕上がりだ。
「シンプルだけれど、洗練されたプレミアム感があって。日本の美意識も含めて世界で認められていると思うと、なんだか誇らしい気分になるね」と彼女。
そしてハッとしたように続けた。
「もしかしてこのボトルの六角形は、6種の素材から来てるの?」
小田氏の笑顔がそれが正解と告げていた。
ひとしきり会話を愉しんだ後、「ROKUから受けたインスピレーションを元につくったカクテルがあるんですが、飲んでみませんか?」と小田氏から提案が。
当然、好奇心を隠せないふたり。
静かにうなずくと、「それぞれ違うものをご用意しますね」と、いよいよシェイカーが振られた。
先ほどまでの和やかな雰囲気から一変、眼光鋭く、カクテルと向き合う小田氏の姿は、プロフェッショナルそのものだ。
「ジントニックであれば想像ができるけど、ROKUを使ったカクテルとなると、想像もできないな」と彼。
「ボトルを“ジャケ”で選んで、カクテルを頼むなんて初めてでワクワクする」と彼女も興味津々。
和の繊細さを備えながらも、モダンに昇華したカクテル2種が完成!
待つこと数分。
女性の前に差し出されたのは、宙に浮く鳥籠のようなグラスに注がれたグリーンの液体。
その名も「Hakone Warbling ハコネ ワーブリング」(3,392円)。
こちらは、『マンダリンバー』のある日本橋が起点となる物語「東海道五十三次」から着想を得て、誕生したカクテル。
この物語の中で、最も有名な箱根宿。そこに描かれた壮大な自然をカクテルに落とし込み、美しいさえずりで旅行者を癒したというメジロを表現したという。
「浄化作用で注目を集めるパロサントの香りをROKUに重ね、抹茶やグリンピースを使った自家製のリキュール、金木犀のシロップ、ライムジュース、ソーダを加えました。メジロの棲む箱根の森を表現するのに、ROKUは欠かせないベースとなっています」
グラスに顔を近づけ、香りをかぐ。すると森で深呼吸したようなクリアな香りが鼻腔をくすぐる。
「森、水、空気、花…。まるで自分が鳥になった気分(笑)」という感想がすべてを物語っているだろう。
続いて男性に供されたのは、白に赤が浮かび上がる、日の丸を彷彿とさせる1杯だ。
実はこれ、バーの顔とも言える“シグネチャーカクテル”のひとつ「Nippon Sour~ニッポンサワー~」(3,163円)。
同じ日本橋に店を構え、300年以上続く老舗として知られる企業の鰹節も重要な構成要素のひとつだという。
「ROKUに使われている6種類の和素材と親和性を高めるならば、シンプルに和で貫いてみたらどうかと考えてできた一杯です。鰹出汁の繊細でふくよかな味わいを愉しめるカクテルがつくれたのは、クリアで繊細な味わいのROKUだからこそです。
最後にアクセントとして卵白を浮かべ、梅干しスプレーで円を描き、 “モダンジャパン”を表現しました」
シンプルで静謐(せいひつ)な佇まいながら、ひと口味わえば、奥行きある香りと見知った和の味わいが口内に広がる。そして、後からROKUの特長でもある爽やかな甘みが追いかけてきた。
いずれのカクテルも、飲み進むほどに2人の表情は驚きで満ち溢れていた。
ジンの代名詞とも言えるパンチの効いた香りや個性的な味わいとは、一線を画すROKU。
「洗練されたボトルに興味を惹かれて頼んでみたけれど、味わいも繊細で美味しい!」と彼女が感想を漏らせば、
「四季を感じることができるのも、日本らしさがあっていいよね。海外の友人をもてなすのにもぴったり」と彼も同意する。
ヘッドバーテンダーの小田氏にとっても、「どんな素材とも調和するクリアな味わいが魅力です。四季の和素材を使っているので、1年を通してお客様に提供できるのも強み」だとか。
繊細な香りや味わいを生かしたオリジナルカクテルとともに寛ぐ特別な時間…。
ホテルのバーというラグジュアリーな空間で、控え目ながらも確かな存在感で目を引く美しきボトル。
上質な空間と調和するデザインを持つ1本をきっかけに開かれた、カクテルの新しき世界。
シンプルでミステリアス。クラシックでモダン。
大人が寛げるすべての要素がここにあった。
【CHANGE(チェンジ) ~いくつになっても初体験っていいもんだ~】の記事一覧
おすすめ記事
- PR
2021.05.28
CHANGE(チェンジ) ~いくつになっても初体験っていいもんだ~ Vol.2
六本木で愛される焼き鳥の名店がイチ推しした驚きの一杯とは?
2024.05.19
Editor's Choice~hotel~
テラスで楽しむフリーフローが最高!大人を満足させるホテルのレストラン3選
2018.11.30
港区女子もご覧の通り!どんな女性も盛り上がっちゃう西麻布のカラオケを知っているか?
2022.09.21
記憶に残るリッチな焼肉体験ができる高級店4選。これぞ、東京が誇る名店だ!
2018.02.21
気分の上がる、艶やかビストロ
浅草なのに全国から通う人が続出! カウンター8席のみの最注目ビストロは何がスゴいのか!
2022.11.19
東京ご近所探訪
いま、都内で人気急上昇中の“元祖・セレブの街”。再開発でさらなる進化を遂げるエリア
2021.10.21
焼き鳥激戦区を代表する人気店ぞろい!「これぞデートの鉄板!」といえる名店4選
2017.05.11
世田谷で、ご近所ディナーを楽しもう!
濃厚生うにがたっぷり!手打ちパスタが絶品な世田谷の名店だ!
2024.10.22
いつもホッとする味を楽しめる。経験値高めな“食好き”で賑わう、26時まで営業しているお洒落酒場
2016.09.27
本格割烹にして気軽な値段が嬉しい!特等席はカウンターの厳選和食店4軒
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
ロングヒット記事
2024.11.18
恋のジレンマ
アプリで出会った女性と初デート。女が困惑した、男が渡した妙なプレゼントとは
2024.11.22
年収4,000万男子の恋愛事情
結婚に焦る31歳女が犯した致命的ミス。せっかくハイスペ彼氏ができたのに…
2024.11.21
かわいく生きられない女たち
毒吐き用のSNSアカウントが、彼の親にバレた!慶應幼稚舎出身、27歳女の裏の顔とは
2024.11.23
男と女の答えあわせ【Q】
「1日2回は多い?」付き合う前のアラサー男女。適度な連絡頻度の正解は?
2024.11.20
東京レストラン・ストーリー
原宿のおしゃれな2LDKで「ルームシェア」する24歳女。でも、現実は一緒に住むのは難しくて…