2021.08.24
CHANGE(チェンジ) ~いくつになっても初体験っていいもんだ~ Vol.3
大人が寛ぐ時間に求めるもの。
洗練された空間、上質な雰囲気、解放感を誘う眺望、心地よい会話、一流のサービス…。
それら全てを備えた場所を挙げるならば、ホテルのバーはひとつの解だろう。
近頃は時世を反映してか、早めの時間から訪れる大人が増えている。
非日常へと誘ってくれる空間で、アペリティフを愉しむ。
そんな特別な時間の1杯には、バーテンダーのクリエイションを味わえる、唯一無二のカクテルこそがふさわしい。
すべてが調和したモダンな空間が魅力『マンダリンバー』
5つ星のラグジュアリーホテルとして、世界でその名が知られる「マンダリン オリエンタル」。日本国内では2005年の開業以来、今なお『マンダリン オリエンタル 東京』が唯一の存在だ。
初の日本進出の地として選ばれたのが、江戸時代、東京で最も文化が花開いた場所、日本橋。
ブランドコンセプトは「センス・オブ・プレイス」。“その地と文化に敬意を表するホテルづくり”を体現し、大人の好奇心を刺激する場所であること。
当然、その哲学は、『マンダリン オリエンタル 東京』でも存分に体感することができる。
ロビーフロアから吹き抜けの階段を下り、ひとつ下のフロアへと進む。37階フロアに広がるのは、バーをはじめ、星付きレストランがシームレスに広がる開放的な空間だ。
『マンダリンバー』はその中央で、思い思いの時間を過ごす大人たちを愉しませる。
全体を覆うオリエンタルな雰囲気は言わずもがな。驚かされるのは、その細部に至るこだわりだ。
柔らかな曲線やビビッドな色使いが目を引くソファやテーブルが配置される一方で、壁には黒壇や土壁がメタリックな格子の向こうにのぞく。
他にも桂の古木にガラスを配したテーブル、ラウンジを流れる水音、前後に広がる東京のパノラマ…。
全てが溶け合い調和した空間は、まるで時空も国境も飛び越えたような錯覚を覚えてしまうほど。
そんなバーで飲む1杯。期待感は高まっていく。
『マンダリンバー』のヘッドバーテンダーを務めるのは、小田健吾氏。
コンペでの入賞経験はもちろん、『マンダリンバー』の名にふさわしい独創的なカクテルを多数生み出している実力派だ。
「幾重にもリキュールを重ねて、狙っている味や香りを出すのが私の仕事。ある種、実験的で複雑とも言える試行錯誤の積み重ねの結果、最高のハーモニーを奏でる1杯が生まれたときは、バーテンダー冥利に尽きますね」
そんな彼の前に、食事前の1杯を求めて訪れた男女が座った。
凛と際立つ存在感に惹かれて選んだお酒。その名は『ジャパニーズ クラフトジン ROKU』
カウンターバックに並ぶ無数のボトルを眺めながら、最初の1杯を思案するふたり。
しばらくして、「あのボトル、かっこいい」と彼女がぽつり。
その言葉を聞き逃さなかったバーテンダーの小田氏がふたりの前に差し出したのは、「六」という墨文字が印象的な1本。
「これは、サントリー ジャパニーズクラフトジン ROKU(六)。海外のバーテンダーからも指名される日本発のプレミアムクラフトジンなんですよ」
そう言って、腕利きのバーテンダーは笑顔を見せた。さて、その味わいはいかに?