渋谷物語 Vol.3

「暗がりのダイニングバーで、いきなり…!?」美女が恋人に内緒でハマった、怪しげなパーティとは

秘密のパーティ


むつみは大学時代に入っていたイベントサークルで、中心人物として幅を利かせていた子だ。私は恭一と付き合い始めたこともあり、3年の時には参加していなかったから、彼女とはそれ以来である。

確か、名前も知らないネット広告の会社に就職したと噂で聞いた。

「キャー、久しぶり!」

恵比寿の、看板も出ていない地下のダイニングバー。

栗色のエアリーなウルフカットに、自信のある部分を強調するかのようなタートルネックのニット。そんな服装の彼女は、やけに黒光りしたTシャツの男に身体を寄せながら、私に手招きしてくる。

その場には、10人ほどの男女がいた。女の子がやや多めだったが、みんな美人で、雑誌で見たことあるモデルさんもいる。

暗がりでよく見えないけれど、どこか見覚えのある男の人もいた。

「あの人、宮崎さんだよ。ビットリングの」

むつみは私の視線の先を見て、耳打ちしてきた。私は思わず「うっそ!」と声を上げる。

ビットリングとは、テレビにもよく出る超注目のベンチャー企業。そして宮崎さんは、その社長だ。メディアでは“IT時代の寵児”と言われている人物である。

それ以外の男の人も、渋谷周辺で会社を経営する人らしい。

むつみの横にいるのも30歳のIT企業社長で、名前を北見さんと言った。ここは彼らが共同でオーナーをしている、プライベートなラウンジなのだそうだ。


「この子、梨奈。今は読モやってて、大学のときもミスコンに出てたんだよ」

「へえ。さっすが、むつみちゃんの友達だね」

北見さんが私を舐めまわすように見る。その横にいたむつみの得意げな顔が妙にカチンときて、私は笑顔で言い放った。

「友達じゃないよ。喫煙所で話す程度の、ヤ......


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