「たまにはふたりで、ちょっと足を伸ばしてみよう」。そんなときに思い浮かぶ街は、きっと横浜だろう。
みなとみらいや中華街などのデートスポットは多くあるものの、ディナーがありきたりなレストランではつまらない。
そんな、ちょっと特別な日の切り札として使いたい、注目の鮨店がある。
名店仕込みの「握り」と「炭火」を、横浜で堪能
洋食と比べ、こと和食においては、店の数が東京と比べ圧倒的に差がある横浜。そんな横浜で、2年前、馬車道に誕生したのが『鮨 ひろ瀬』だ。
店主の広瀬順一さんは、横浜の老舗高級鮨店『あいざわ』で8年修業し、その後、三ツ星日本料理店『銀座小十』で修業。
焼き場を担当し、“小十”名物の「鮎の炭火焼き」にみられる一流の焼きの技術を習得し、独立した。
季節を味わう一品料理には、牛肉の炭火焼きも登場する。
「名店で技を磨いた職人が焼くからこそ、鮨屋の範疇を超えない提案ができる」と広瀬さん。
肉で口が変わることで、その後の鮨へのアプローチに弾みをつけるのが狙い。シャリは予約に合わせて炊き上げるこだわりぶりで、魯山人の器や花など、徹底したもてなしの心を料理や空間に込める。
食べ慣れた大人も堂々と誘える、横浜で誇れる一軒だ。
この日の握りのひとつ、島根県産のマグロの赤身。
赤身の酸味に負けないよう、シャリは少し大きめにするなど、ネタとの調和を重視する。
やや固めに炊き上げた赤酢のシャリは、口の中で一粒一粒の存在感が際立つ。
旬がつまった繊細な逸品にもこだわりが。この日は「蛍烏賊の春菜づくし」。
7種類の季節の野菜を、異なる出汁に漬け込み、胡麻クリームで和えた手の込んだ一品だ。(コースは16,500円、22,000円の2種類)。
食事の後は馬車道通りを散歩する贅沢も
横浜開港資料館や横浜港郵便局など、歴史あるモダンな建造物が多く立ち並ぶ馬車道エリア。
食後は、洒落た街並みをのんびり散歩するのもおすすめだ。少し足を延ばせば、みなとみらいの夜景を眺めに行くことだってできる。
横浜の街が、どこまでもロマンチックな夜を演出してくれるのだ。
店主の師匠であり、日本料理の権威『銀座小十』の奥田 透さんから一言
「オリジナリティに富む、新しき鮨の世界が広がっています」
「鮨と和食って近い距離にあるようですが、仕入れも下処理も似通うところは皆無です。
鮨店で8年の修業を経て、『銀座小十』にやってきた彼にとっては、苦悩の数年間だったかもしれません。だからこそ彼が確立した新しい鮨のスタイルには、一目置いています。
人の真似では実現しなかったであろう、“広瀬の握り”と“広瀬の焼き”、是非体感してみてください」
■店舗概要
店名:鮨 ひろ瀬
住所:神奈川県横浜市中区太田町2-32-1 ビラ・アペックス横浜関内 2F
TEL:045-323-9779
営業時間:ランチ 12:00~15:00 ※完全予約制
ディナー 18:00~(L.O.22:00)
定休日:不定休
席数:12席