女といるのが向いてない Vol.6

元カノと3年ぶりの再会。帰り道、すがるような目で見つめられた瞬間、男が取った行動は…?

女といるのが向いていない、男たち。

傷つくことを恐れ、女性と真剣に向き合おうとしない。そして、趣味や生きがいを何よりも大切にしてしまう。

結果、彼女たちは愛想をつかして離れていってしまうのだ。

「恋愛なんて面倒だし、ひとりでいるのがラク。だからもう誰とも付き合わないし、結婚もしない」

そう言って“一生独身でいること”を選択した、ひとりの男がいた。

これは、女と生きることを諦めた橘 泰平(35)の物語だ。

◆これまでのあらすじ

急接近したように見えた泰平と灯。しかし泰平は、忘れられない元カノ・麻里亜から久々のLINEで、気持ちを引き戻される。そのまま麻里亜に「会おう」とメッセージを送ってしまったのだった…。

▶前回:今夜はイイ雰囲気だと思ってたのに。舞い上がっていた女の身に降りかかった、最悪な出来事


― ああ、緊張する。

僕は意味もなくソファに座り直したり、髪を触ったりして麻里亜を待っている。小さい頃から何度も来ているこのラウンジで、こんなにそわそわしているなんて、なんと情けないのだろう。

待ち合わせに指定したのは、帝国ホテルのラウンジ。いきなり飲みに誘うのもなんだか申し訳なかったし、悩みに悩んだ結果、慣れたこの場所を選んだのだ。

5分ほど経って、ついにそのときが来た。

遠くの方から近づいてくる、サラサラの長い髪。紺のフレアワンピースに、光っているかのような白い肌。

― 麻里亜だ…。

3年ぶりに会うというのに、視界に入った瞬間すぐにわかった。美しさに見とれていると、彼女は僕の向かいにスッと座り、女神みたいに微笑む。

「久しぶり。お待たせしてしまってごめんね」

「…い、いや全然。麻里亜、変わってないね」

「そう?泰平さんは…。ちょっと大人っぽくなったかな?」

ふふっと笑った彼女は、片方の耳に髪をかけてからメニューを開いた。そんな小さな仕草に、心ごと持っていかれてしまいそうになる。

「ミルクティーを、頂けますか?」

ウェイターにそう伝える、上品で柔らかい声。その声に“麻里亜と過ごす”という幸せな感覚が、解凍されたみたいに蘇ってきた。

「麻里亜、最近はどうしてたの?」

「泰平さん。私、実はね…」

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