Re婚活 Vol.2

完璧な夫婦にも、闇がある!?美男美女の医者カップルが、結婚7年目に離婚したワケ

萌香が離婚した理由


ー4年前ー

「またダメだったの」

当時の夫が帰宅するやいなや、萌香は今月も月のものが来てしまったことを報告した。

「焦らなくても、そのうちできるよ。子どもは、授かりものって言うだろ」

仕事で疲れている夫はまるで他人事のように返事をした。夫は都内の大学病院に勤める内科医で、未だ出世レースから外れることなく激務に耐えている。

夫とは同じ私立医大を卒業しており、友人の結婚式の二次会で知り合った。

1年の交際期間を経て、大恋愛の末に結婚。しかし、結婚して5年経っても子どもができる気配がない。

すでに萌香は34歳、夫はもうすぐ40歳になる。経済的に何不自由なく、夫婦仲も悪くない。それなりに幸せな結婚生活を送っていた。“子どもがいない”というただ一点を除けば。

「どうしてできないの?」

萌香は月に一度、ナーバスに夫を問い詰める。夫はそれを適当にあしらうのがここ数年の常だ。

2人目を出産する友達もちらほらと出てきた。忙しくても幸せそうな彼女たちを見ていると、萌香も仕事とは違う慌ただしい日常に身を置いてみたいと強く願った。

しかし、萌香が子どもを欲しがれば欲しがるほど、夫は多忙を理由に協力を拒むことが多くなっていった。

35歳になったとき、意を決し夫に不妊治療を持ちかけた。

「冗談だろ。どうしてそこまで子どもが欲しいんだ?」

夫に軽くあしらわれた。

「どうして協力してくれないの?」

萌香は非協力的な夫を責めた。仲が良かった彼との間にできた小さな亀裂は少しずつ広がり、萌香は孤独になっていった。

― 別れた方がいいのかな?でも、子どもができないことを理由に離婚していいの?

子どもがいなくても、充実した人生を送っている夫婦はたくさんいる。それに、彼といれば経済的になんの心配もない。さらに、離婚したからといって子どもができるわけでもない。

とはいえ、夫の両親から「子どもはまだ?」と聞かれるのはいつも自分。

「お仕事辞めてゆっくりしたらすぐできるわよ」

義母に言われた一言も、萌香の心の中でずっと尾を引いていた。

そんな風に悶々と悩んでいた頃、萌香は夫の車の助手席で小さなピアスを見つけてしまった。

「これ、誰の?誰を乗せたの?どこに行ったの?」

半狂乱で夫を問い詰めながら、怒りに任せて今までの不満をすべてぶちまけた。

「ごめん。子作りのことばかり言われるのが負担で、魔が差した」

夫は力なく言った。

― 子作りは嫌なのに、他の女性とは…。

夫への情や尊敬の念が一気に崩れ落ちた瞬間だった。お互いの心が離れてしまった今、もはや子どもをもうけることは無理だと萌香は思った。

離婚を切り出すと、夫はホッとした様子で言った。

「好きなようにするといいよ」と。




36歳で離婚したあと、それまで住んでいた御茶ノ水のマンションから中目黒の1LDKに引っ越した。ふっきれた女は行動が早い。

早速、萌香は再婚活をスタートした。友人たちには再婚願望を伝え、いい人がいたら紹介して欲しいと頼んだ。また、友人の勧めでマッチングアプリにも登録した。

萌香の再婚の条件は、たった1つ。

「健康そうな人」つまり「すぐに子どもができそうな人」だ。

だが、いざアプリに登録するとなると、知り合いに見つかったら恥ずかしい、という気持ちが先行する。プロフィールは控えめに。医者であることも年収も隠し、写真は目を隠しぎりぎり誰か特定できないものをアップした。

しかし「いいね」を押してくるのは、子育てが一段落ついていそうな40、50代の男性ばかり。この時、萌香は37歳。婚活市場ではこの現実は当たり前なのかもしれないが、多少なりともショックを受けた。

とはいえ、子どもが欲しい萌香が狙うべきは元気な若い男性。

試行錯誤の末、プロフィールに「美容皮膚科勤務」と「年収2,000万」を追加することにした。

そして、思い切ってはっきりと顔がわかる写真に差し替えた。

翌日から「いいね」の数が跳ね上がり、萌香も驚いた。

― やっぱり、医師っていう肩書って男女ともに強いのね。

もしかしたら、萌香の経済力目当ての男性もいるかもしれないが、そんなことは気にしないことにした。だって、それも自分の持ち合わせているスペックの1つだと考えたから。

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