女といるのが向いていない、男たち。
傷つくことを恐れ、女性と真剣に向き合おうとしない。そして、趣味や生きがいを何よりも大切にしてしまう。
結果、彼女たちは愛想をつかして離れていってしまうのだ。
「恋愛なんて面倒だし、ひとりでいるのがラク。だからもう誰とも付き合わないし、結婚もしない」
そう言って“一生独身でいること”を選択した、ひとりの男がいた。
これは、女と生きることを諦めた橘 泰平(35)の物語だ。
『泰平、見て!有給取ってフェリー貸し切り中。綺麗だろ??』
リモートワークを終えた僕は、リビングのソファーに寝転びながら友人からのLINEを開く。
テンション高めなメッセージとともに送られてきたのは、やたらと綺麗な横浜ベイエリアの夜景写真。
どうせまたあいつは、女子と遊んでいるんだろう。まったく賑やかなヤツである。
ひとりでクスッと笑った瞬間、脳内に突然、“あの笑顔”が舞い降りてきた。
「ああ…。また、麻里亜のことを思い浮かべてしまった…」
麻里亜とは、32歳の時に別れた元カノのこと。
彼女と付き合っていた頃、夜景が見える横浜のレストランでよくディナーをしていたから、唐突に思い出してしまったのだ。
あれから、かなりの月日が経つ。
だけど僕はまだ麻里亜のことを引きずり続けていて、結婚はおろか、恋人すらできていない。
…そう。彼女と別れてしまってから3年近く、僕はずっと孤独なのだ。
この記事へのコメント
難しい。