貴女みたいに Vol.11

距離を置きたい女友達を「二度と会いたくない」と拒絶したら…。予想外の反応が

「大好きだから、あなたみたいになりたい」

そんな言葉とともに、

なんでも話せる女友達に、姿形も、仕事も、恋人も、全てコピーされ、人生を乗っ取られてしまったら…。

恋も仕事も順風満帆。充実した毎日を送っていた夏絵(33)と同じ会社に、恵理(28)が入社してくる。

それは、女の日常に潜む地獄の始まりだったー

◆これまでのあらすじ◆

智樹からの二度目のプロポーズを「結婚を逃げ場所にしたくない」といったん保留した夏絵。会社での誤解も解け、ようやく元の生活に戻ったかと思われた矢先、恵理が救急搬送され…

▶前回:「あなたと結婚できない」大好きな恋人との結婚話を中断した、崖っぷち女の真意とは


小さなころから「嫌われる」ことに慣れすぎて、自ら「人を嫌う」という感情がいまだによくわからない。

―恵理は優しいね。

いつもそう言ってくれたのは、姉の麻理だ。

美しく聡明で、誰からも愛される憧れの麻理のことが、恵理も大好きだった。

恵理は、たくさんの身近な女性に憧れ続けた。自分にはないものを持っている人たちが、みんな本当に輝いて見えた。

―どうしたらあんな風に素敵になれるかな。持ち物や服を参考にしてみよう。

女性であれば、そこまでの感情は自然なことだ。ただし、恵理の強い思いはいつでも暴走し始める。

―あの人みたいにならなきゃ。だって、私はいらない子だから。

でも、それは許されることではなかった。

―消えたい。

いつもうっすらとそう思っていた。

大好きな人を追い詰め、「二度と目の前に現れないで」と言われたのだから、もう、消えるしかないのだ。

―ごめんね。お姉ちゃん。夏絵さん。もう二度と迷惑かけないから、安心してね。

遠のく意識の中で、何度も何度も、名前を呼ばれている気がした。

―さよなら。

深く深く、永遠に醒めない眠りにつくことを祈りながら、恵理は意識を手放した。

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