貴女みたいに Vol.3

待ちに待った彼氏とのデートに、むりやり美人後輩が割り込んできて…放った衝撃の一言

「大好きだから、あなたみたいになりたい」

そんな言葉とともに、

なんでも話せる女友達に、姿形も、仕事も、恋人も、全てコピーされ、人生を乗っ取られてしまったら…。

恋も仕事も順風満帆。充実した毎日を送っていた夏絵(33)と同じ会社に、恵理(28)が入社してくる。

それは、女の日常に潜む地獄の始まりだったー

◆これまでのあらすじ

夏絵の働くベンチャーに入社することになった恵理だが、初日から社内に暗雲が立ち込める。「笹野恵理が社長に個人的な接待をしている」との怪文書メールが出回ったのだ。

疑惑を払拭するために夏絵は社内を奔走するが、いつの間にか「私の推薦で入社してもらった」と恵理の思惑通りの説明をすることに。しかも恵理は、楽しみにしていた智樹とのデートに参加すると言い出し…

▶前回:「私も一緒にいいですか?」いじめられている新入社員をかばったら…断れないまさかの要望


「夏絵さんと恵理さんって、喋り方や仕草も似てる」

テーブルを挟んで目の前にいる智樹は、並んで座る夏絵と恵理を交互に見て、目を細めた。

「わあ。嬉しいです」

ほろ酔いの恵理はそう声を弾ませ、潤んだ瞳で夏絵の顔を覗き込み、同意を求めている様子だ。

一方の夏絵は、思わずとっさに否定してしまう。

「もう、智樹やめてよ。私と似てるだなんて、恵理ちゃんがかわいそう。私は一般人。恵理ちゃんはモデルさんだよ。似てるわけないじゃない」

すると、恵理はさらに頰を紅潮させて言った。

「そんなことないです。そこらのイベコンより夏絵さんの方がよっぽど美人だし、センスもいいし、本当に憧れているんです」

「恵理さんがそう言ってるんだし、夏絵さんも素直に喜べば良いのに」

向かい合って座る智樹と恵理は、目を合わせ二人で頷きあった。

―恵理ちゃんのネイルのデザイン、私と一緒だ。全然気づかなかった…。

ワイングラスを持つ恵理の手元をじっと見つめながら、言い知れぬ違和感に再び襲われる。

パールホワイトをベースにココアブラウンのフレンチ。薬指の根元にだけ、ワンポイントにクリスタルのストーンを置いている。

―定番のフレンチとはいえ、色はブラウンだし、アクセントまで一緒って、偶然じゃないよね…。

夏絵は動揺を隠すように、グラスに半分ほど残ったワインを一息に飲み干す。すると、恵理がすぐさまワインを注いだ。

「ネイルのデザイン一緒だね」

遠慮してモヤモヤしているのもおかしいので、夏絵はそう切り出した。

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