5.2%の憂鬱〜妻からの挑戦状〜 Vol.4

結婚生活が息苦しい。妻が出て行くキッカケとなった、夫には内緒の出来事

5.2%―。それは、日本国内で“妻の方が稼ぐ”世帯の割合。

「妻には、仕事を頑張ってもっと輝いてほしい」

笑顔でそう言いながら腹の底では妻を格下に見て、本人も自覚せぬまま「俺の方が稼いでいる」というプライドを捨てきれない男は少なくない。

そんな男が、気づかぬうちに“5.2%側”になっていたら…?

男のプライドが脅かされ、自らの存在意義を探し始めたとき、夫はどんな決断をするのだろうか。

◆これまでのあらすじ

「副業が忙しい」ことを理由に、ホテルに泊まる妻の伊織。本当にそうなのか確かめようと見張っていた新太(あらた)は、ついに怒りをあらわにしてしまい…?

▶前回:「妻は何か隠している…」外泊続きの妻を見張っていた夫が、目にしてしまった光景


―ああ、なんて快適なんだろう。

ふかふかのダブルベッドに身を預けた伊織は、幸福を噛み締めながら目を瞑った。

昨日まで泊まっていたビジネスホテルも悪くはなかったが、やはり高級ホテルは、何もかも格が違う。

先ほどまで酷使していた頭と目を少し休めようと横たわったが、あまりにも気持ちが良くて、このまま熟睡してしまいそうだ。

だが、今日はまだ片付けなければいけない仕事が残っている。

ベッドサイドのアラームを15分後にセットしてゴロゴロしていると、デスクの上に置かれたスマホが鳴った。バイブの振動が耳障りに響く。

うっかりしていた。スマホの電源を落とすのを忘れていたのだ。この時間に電話をかけてくるのは、どうせ新太しかいないだろう。

―もう、邪魔しないでよ。

心の中でチッと舌打ちする。

伊織の中では、カウントダウンは始まっているというのに。

妻に鬱陶しいと思われていることも知らずに、まだコントロールしようとしてくるなんて、鈍感にもほどがある。まったく、おめでたい人間だ。

そう、始まっているのだ。離婚へのカウントダウンは。

伊織は電話が鳴り止んだのを見計らって、電源を落とした。

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