私、やっぱり結婚がしたい Vol.4

「私みたいな女が相手にされるなんて」普通の32歳OLが、超イケメンに一夜で見初められたワケ

そして、11月前半のある週末。

「どうも、はじめまして。シアです。漢字だと、仔猫の仔に、大空の空。中国人です。よろしくね」

美緒は口だけじゃなく、ちゃんと紹介の場をセッティングしてくれた。

さすがと言わざるを得ないお店のセレクトに、遅すぎることのない開始時間。

女性としてきちんとエスコートしてもらえる心地よさを、私は久しぶりに感じていた。

でも、そんなことよりハートに刺さったのは、美緒の彼氏が連れてきたシアという中国男子だ。

183cmの長身に、スーツの似合う鍛えられた身体。物腰の柔らかい話し方。それでいて、時折ピシャリと鋭く意見する清々しさ。

言いたかったことを代弁してくれるような気持ちの良い物言いに、私は心を奪われた。

しかし、いざそれが自分に向けられると、すぐに気の利いた回答が出来ない。

「二人とも、会社員なの?モデルかと思ったよ。ちょっと頑張れば、インスタグラマーにでもなれそうだよね。やったらいいのに」

ーえっと...

私がすぐに答えずにいると、美緒が口を開いた。

「私は、実家が農業してて、そっちのアカウントは力入れてますよ。まだフォロワーは少ないですが」

「へ〜、そうなんだ!いいね。日奈子さんは?」

「私は...非公開のアカウントで、投稿内容も一貫性はないんですよ。自己満足というか、情報収集的な使い方をしているので」

「うんうん。そういう使い方も全然アリ!でも、これから男女共に副業ガンガンやっていくのが当たり前になっていくと思うんだよね。Instagramは一例だけど、本業のほかに武器があると強いから」

「そうですよね、あはは」

要するに、普通の会社員の女性はつまらないし、対象外だということなのだろうか。

シアは、中国で飲食店を何十店舗も経営する傍ら、日本では、趣味であるアパレルの輸入の仕事をしているらしい。

大学生の頃から東京に住んでいるため、日本語は堪能。英語もペラペラだという。

ー相手にされるわけない...

私の中に芽生えたシアへの微かなトキメキは、泡のように消えていった。

「シアはそういうの詳しいもんな!ちなみにどんな女性がタイプだったりすんの?」

美緒の彼氏が空気を読み、話題を変えてくれた。

「タイプか...そうだな、素直で嘘がつけない子かな」

シアとばっちり目が合う。そして、次の言葉に私は耳を疑った。


「日奈子ちゃんみたいな」

「え!?」

驚いて目を見開く。

シアは、私なんかタイプではないと思っていた。彼の周りには綺麗な子がたくさんいることは、見ればわかる。それこそ、タレントやモデル、インスタグラマーたちが放っておかないだろう。

中身だって、意識が高い人が多......


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